生まれる前に起きた阪神・淡路大震災、高速道路が倒れるほどの災害だったとは到底思えないほど、美しく整然とした街並みが続いている。特に神戸は近代的なガラス張りの高層ビルと、古くから残る美しい歴史的建造物がバランスよく共存している。
兵庫県尼崎市出身の入江小春さん(19)は、建築を学び、防災士を目指すため、香川大学・創造工学部で学んでいる。建築と都市環境が専門。幼いころから家の間取りを見たり、インテリアの雑誌を見たりするのが好きで、自分の理想の家を建てたいという夢があった。
理想のデザインを考えているうちに建築士を志すようになった。ただ、大学の授業で建築や防災を学ぶうちに「建築はデザインだけではいけない、日本で(建築物を)建てるには、まず災害に耐えられるようにしなければならない」と強く考えるようになった。
小学生の時、地震を音と映像で体感する学習があった。地響きの大きさと真っ赤で大きな炎の怖さのインパクトが強く、こわかった。この経験も影響したかも知れない。
毎年、1月17日が近づくと学校では避難訓練が行われ、メディアが特集で伝える阪神・淡路大震災。自分が生まれる10年前の出来事だ。
被害者の数やマグニチュード、震度というデータだけでは伝わらない。救助された人の大半が「共助」で、近隣住民により救助されていることも、あまり知られていない。