《阪神・淡路大震災を知らない世代(4)》「災害に強い建築、この街で…」入江小春さん(19) | ラジトピ ラジオ関西トピックス

《阪神・淡路大震災を知らない世代(4)》「災害に強い建築、この街で…」入江小春さん(19)

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阪神・淡路大震災で倒壊した神戸市東灘区の住宅

 日本では、大規模な震災が起こるたびに建築基準が変わる。大地震から学ぶことはたくさんある。経験していない過去の災害の被害状況を知ることが次につながる。
 災害時には、個々の建物の強さだけではなくて都市全体としての強さも必要だと思っている。神戸・阪神間は人口が密集し、通勤・通学に鉄道を利用する人が圧倒的に多い。もし昼間に地震が起きたとき、電車が止まってしまえば帰宅困難者が大量発生し、さらなる混乱を生む。だからこそ災害に強い都市づくりが必要である。地震大国・日本に住む以上、大震災に強い建物を作らなくてはいけない。

 一方で最近、耐震化をめぐる法律が厳しくなり、似たような建築が増えてきたことに、日本の建物の個性がなくなるのではと感じている。ユニークな形状の建物をプロデュースするのが理想だが、構造的な制限というハードルが諸外国より高い。建築士と防災士を同時に目指したのは、「防災を学ばなければ、災害に強いデザインができない」と思ったから。

 防災を本格的に学び、「トイレは100日分用意しないといけない」「堤防は地震後いつ決壊するかわからない」「ハザードマップを信用しすぎてはいけない」などさまざまなことを知った。人の命を守ることは責任が伴う。しかし、デザイン性に富み、かつ災害に強い建築を追求するのは無理なのか?街の個性的な景観と、強い都市の両立を目指したい。

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