【中将】 はい。ともあれ大阪を中心に活動するグループにも関わらず『ギター子守歌』は当時の新譜情報誌「レコード・マンスリー」(日本レコード振興)の歌謡曲ランキングにランクインするなどけっこうヒットします。その後、メンバーの離脱などあってゴタゴタするんですが、1968年1月には代表曲となる『銀の鎖』をリリースします。
【橋本】 出ました! 去年の中将さんの記念番組の関係で何回も聴かせていただきました。お気に入りの一曲です。
【中将】 急にグループサウンズっぽくなるでしょ(笑)。お次はB面で、のちに両A面扱いになった『恋にしびれて』(1968)。
【橋本】 コーラスで音圧を出すロックってこの時代独得でいいですよね。去年、私もコーラスさせていただきましたが新鮮でした。
【中将】 グループサウンズみたいな1960年代のロックを聴いててじんとくる部分ですよね。続いて1968年5月にリリースした『夕日よいそげ』も似た要素が感じられます。
【橋本】 これは初めて聴きましたがいい曲ですね。
【中将】 イントロとかテクっていてかなり癖があるんですが、リーダーの加藤ヒロシさんはギタリスト、アレンジャー、作曲家としても評価が高く、後に大阪万博で電力館、電気通信館の音楽プロデュースを担当したり、フォーク・クルセダーズが歌った『戦争は知らない』など数々のヒット曲を手がけています。現在もロンドンで音楽プロデューサーとしてご活躍です。
【橋本】 以前の大阪万博にも大きく関わった方なんですね。
【中将】 はい、今回の再結成には残念ながら合流できないんですが、どうか温かく見守っていただきたいです。
さて、お次はリンド一番のハイテンションナンバーです。1968年8月リリースの『ハ・ハ・ハ』。
【橋本】 このノリは3月29日のコンサートでは絶対欠かせないですね! みんなで「ハ!ハ!ハ!」って歌いたい!
【中将】 テンション高くて疲れそうだけどね(笑)。でも、こうやってあらためてリンドの曲を聴き返すと、僕には加賀さんのことが偲ばれます。晩年のたった3年間くらいのお付き合いだったけどとても密度の濃い日々でした。今でもどこかに生きてそうな気がするし、亡くなってもう18年経つなんて信じられないくらい。