寒さ増す冬場、鍋に欠かせない具の1つである豆腐。その製造・販売で、地元・兵庫県産大豆の使用にこだわる、神戸の会社がある。
神戸市中央区で、豆腐や豆腐製品の製造を行う、株式会社八雲。1953(昭和28)年創業の老舗の代表をつとめる北村良成さんは、「豆腐は地元で買ってもらってなんぼ。古くから『豆腐に旅をさせるな』と言われるほどです」と述べ、県産大豆での豆腐づくりを続けている。

全国豆腐品評会に選定された豆腐も販売している同社。兵庫の山間部の気候が大豆の栽培に適しているという北村さんは、「大粒に育った大豆を使うとおいしい豆腐が作れる」と明かす。
老舗ながら、日々、新たな商品の開発に余念がない北村さん。スーパーや百貨店を訪れたとき、豆腐だけでも多くの商品が並んでいるため「ここの会社はこんなものを出している。こういうのを豆腐に使ったらどうだろう」といったことを考えてしまうそう。ただ、しっかりと軸を持って自分が好きなもの、おいしいと感じるものを信じて、商品開発に取り組んでいるのだとか。
その1つが、同社の「生姜絹あげ」。自ら生姜を育てるほど、生姜好きな一面を持つ北村さんが、その思い入れをいかして開発。絶妙な大きさにカットした生姜が練り込まれ、生姜好きにはたまらない逸品だ。「煮込み料理に使うと、ほんのりと出汁に生姜の香りがついておいしいのでおすすめです」。

また、3月中旬に発売を予定している新商品が、金ごまのおぼろ豆腐。しっかりごまを感じてもらえるようにと、豆腐の中にそのままごまが入っている。
「入っているかわからない中途半端な商品にはしたくない」というのが北村さんの考え方。既に販売している「湯葉とうふ」にも豆腐の中にしっかりと湯葉が練り込まれている。こちらは女性に特に人気で、ロングセラー商品の1つだ。


豆腐にはしょうゆというイメージが強いが、「豆腐の味をしっかりと引き出すことで、しょうゆに頼らなくてもいいものを」というのが同社の豆腐づくりのコンセプトでもある。
北村さんは、「これからも兵庫県民に愛される商品づくりを心がけていきます」と前を向いていた。

※ラジオ関西『三上公也の朝は恋人』より
【八雲 公式HP】