人々の生活を支えるライフラインのなかでも、いま改めて注目を集めているのが「LPガス」です。兵庫県の加古川市、高砂市、加古郡(稲美町・播磨町)、および、姫路市の一部では、エリア内の大部分となる約5万5千世帯がメインエネルギーとして利用しています。同地域を管轄する担当者に、まちのLPガスの現状と今後について聞きました。

同地域のLPガス環境を管轄している、兵庫県LPガス協会・加印支部の清水正之さん(株式会社しき島ガスワン代表取締役社長)によると、同支部では2012(平成24)年に加古川市、高砂市、稲美町および播磨町と、LPガス等の供給に関する災害時支援(応援)協定を締結。災害が発生した際、速やかにLPガスや関連機材を避難所等へ供給・支援できるような体制づくりを整えています。そのほか、毎夏に事業所を集めて保安講習会を開催し、法令改正やLPガス事故の詳細などについて学びを深めているといいます。


また、LPガス事業者として、地域の一員として、地域住民の暮らしや安全を守っていこうと、「お客様安全教室」を開催して消費者にLPガスの安全な使い方をレクチャーする取り組みなども行っています。

現在、兵庫県内では災害時に備え、避難所施設へのガスを使った空調設備「GHP(ガスエンジン・ヒートポンプ・エアコン)」の導入が進んでいますが、同支部内では、兵庫県立東播磨高校と兵庫県立播磨南高校への導入が決定。
災害時の避難生活では、暑さ・寒さが健康被害を引き起こす要因となるため、冷暖房を使用できるGHPの導入は、避難所の環境改善と地域住民の安心につながるもの。その考えから、同支部でも「積極的に導入を進めていきたい」と清水さんは話します。
元日の能登半島地震や、夏場の宮崎県日向灘を震源とする地震による南海トラフ地震臨時情報の発表など、昨年は各地で災害に見舞われたこともあり、「大きな災害はいつ起こってもおかしくないと考えている」と、清水さん。LPガス事業の担い手として、「地元の一員として市や町と連携し、市民の安心・安全を守る役割を担っていく存在でありたい」と抱負を述べました。
※ラジオ関西『歌声は風にのってブランチ』より