獣害被害から生まれた『麻婆豆腐の素』が五つ星ひょうごに選定 兵庫・豊岡の中華店 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

獣害被害から生まれた『麻婆豆腐の素』が五つ星ひょうごに選定 兵庫・豊岡の中華店

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 平田オリザさん(劇作家・演出家)のラジオ番組(ラジオ関西『平田オリザの舞台は但馬』)に、兵庫県豊岡市出石町で中華料理店を営む西田幸弘さんが電話出演。大阪から移住した経緯や、このほど『五つ星ひょうご』に選定されたメニューについて語った。

兵庫県豊岡市出石町で中華料理店を営む西田幸弘さん

 町中華を営む両親を手伝い、33歳で独立した西田さん。地元でも評判の中華料理店として腕を振るっていたが、子育てを機に、2018年4月、家族で大阪市から豊岡市へ移住することを決意。移住先を豊岡市に決めた理由について、このように語った。

「次男が自閉症スペクトラムの診断を受けたんです。大阪から3時間圏内という条件で、子どもが大きな声を出しても隣家に聞こえにくい場所を探しました。宿泊もして生活のにおいを感じるなかで、豊岡の食材の質の高さと環境に魅力を感じて決定しました」(西田さん)

 転居先には、1200坪という広大な田畑もついてきた。当時の農地法に基づき、新規就農の申請や登記手続きが必要だったが、市役所の手厚いサポートもあり、無事生活がスタート。1番の願いであった子どもの反応は上々だという。

 西田さんの経営する中華料理店『しゃんらん』においては、但馬牛や八鹿豚といったブランド肉、新鮮な野菜を使った料理も好評。地元住民はもちろん、大阪の常連客もドライブがてら立ち寄ってくれるという。

中華料理店『しゃんらん』
中華料理店『しゃんらん』の店内

 同店の人気メニューは、麻婆豆腐。自家栽培している唐辛子の若芽を鹿が食べにくるため、獣害被害の解決策として鹿肉を使用したところ、新鮮でくさみがなく、麻婆豆腐のうまみが増した。

「もともとは、但馬牛や八鹿豚、但馬どりなどのブランド肉を使用していました。ただ、獣害被害がひどかったので、移住してから狩猟免許を取得しまして。罠で捕まえた鹿の肉を使っちゃえ、と(笑)」(西田さん)

人気メニュー「麻婆豆腐」

 そんな人気メニューを自宅で簡単に再現できる商品『但馬の鹿 四川麻婆豆腐の素』が、このほど、兵庫県の魅力あふれる商品を発信する『令和6年度五つ星ひょうご』に選定された。

 熟成豆板醤の深いコクに、後がけする花椒が食欲をそそる。試食した平田さんは、このようにコメントを残した。

「魔法のラー油といいますか、花椒が別で付いているのが本格的でいいですね。鹿肉は高たんぱく低カロリーなのもうれしい。ぜんぶ食べちゃいました!」(平田さん)

 大満足の様子で太鼓判を押した平田さんは、店舗へ訪問することを約束した。

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