『無題(最後の静物画)』は、1940年に亡くなった際、アトリエに残されていた作品のひとつで、真っ黒な背景に、死を連想させるようなモチーフが描かれている。片手をあげている彫像の先は切断され、その下には散った花々。「絵の中の絵」として描かれた線描画の天使も。その色彩は鮮やかで、死の直前まで熱意をもって作品に取り組んでいたことがうかがえる。

クレー展は、日本でこれまで何度も開催されている。同館では10年ぶり。「今回は若い研究者(黒田学芸員)が企画したもの。次の世代に開かれていく、これまでとは違うクレー展になる」と、同館の林洋子館長は話す。
■パウル・クレー展――創造をめぐる星座
2025年3月29日(土)~5月25日(日)
兵庫県立美術館 (神戸市中央区脇浜海岸通1-1-1 HAT神戸内)
10:00~18:00 入館は閉館の30分前まで
休館日 毎週月曜日 ただし5月5日(月・祝)は開館、5月7日(水)は休館




