赤身でグラム二千円超え「神戸ビーフ」 実は“神戸牛”なる品種は存在せず 超高級牛肉たる理由とは? | ラジトピ ラジオ関西トピックス

赤身でグラム二千円超え「神戸ビーフ」 実は“神戸牛”なる品種は存在せず 超高級牛肉たる理由とは?

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 ここまで聞くと、但馬牛は“牛肉界のエリート”と言っても過言ではありません。しかしながら、神戸ビーフはさらに厳しい基準をクリアした“エリート中のエリート”なのです。

放牧されている但馬牛

「神戸ビーフとして認定されるには、但馬牛の中でもさらに未経産牛・去勢牛であるという条件に加え、より高い等級と質の良い霜降りが必要に。さらに雌の場合は枝肉重量が270kg以上から499.9kg以下、去勢は300kg以上から499.9kg以下という重量制限もあります」(同協議会)

 重量が大き過ぎるとよくない理由については「但馬牛はもともと枝肉重の平均が420kg程度。全国平均から見れば50kgほど小さく、大きくなりすぎると但馬牛らしいキメの細かい肉質が損なわれると言われているからです」とのこと。

 神戸ビーフ専門店を見ていると、焼肉用赤身肉180gで4000円近く。なかなか手が届きにくい高価な代物ではありますが、これほどの厳しい認定基準があり、さらに一頭の重量も少ない希少性を考えれば充分に納得できます。

「但馬牛は江戸時代より現在までその純血を守り続けています。その血統を守ることがおいしさを守ることであり、生産費も高くなっています。おいしさはもちろんですが、日本の牛肉の消費流通量の約0.2%未満という稀少さも高価になる要因だと思います」(同協議会)

☆☆☆☆

 世界でも愛される神戸ビーフ。その品質は、畜産家・生産者の愛情と誇りによって支えられています。

(取材・文=宮田智也

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