弁当に入っているとなんだかテンションが上がる「ミートボール」。甘じょっぱいケチャップベースの味付けが我々日本人の定番ですが、実は日本独自のものなのだとか。そこで他の国にも目を向けてみると、それぞれにミートボール料理が存在することを知った筆者。色々と調べてみました。
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【タイ】素材は牛・豚・鶏・魚など自由。これらのミンチを団子状にし、スープやヌードルに入れることが多い。
【アメリカ】ミートボールとトマトソーススパゲティをあわせた「ミートボールスパゲティ」が有名。
【スウェーデン】クリームソースをかけ、ポテトやコケモモジャムなどの付け合わせと食す「ショットブッラル」が家庭料理として根付いている。味付けや肉の種類などは家庭により異なる。
【中国】「肉丸(ローワン)」と呼ぶ。大型の「獅子頭(シーズトウ)」や甘酸っぱい「糖醋肉丸(タンツーロウワン)」など、地域によりさまざまな形・味付けが存在する。
【トルコ】牛肉もしくはラム肉を使いスパイスをきかせた「キョフテ」が有名。トルコを中心に、中東・南アジアの国々にも浸透している。シンプルな味付けの「ウズガラ・キョフテ」やフライした「クル・キョフテ」など地域によってさまざま。
さて日本はというと、ミートボールと聞いて「イシイ」を想起する人は多いのではないでしょうか。実はメーカーである「石井食品株式会社」(千葉県船橋市)は、もともと佃煮の製造からスタートしており、肉系惣菜の分野においてはどちらかといえば後発組だったそう。それが今や国内においての“イシイのミートボール”の知名度は他の追随を許さぬ勢い。開発時はどこかの国を参考にしたのでしょうか?
この疑問に同社の広報担当からは「完全オリジナル」との回答が。「日本の家庭のために、私たちならではの“やさしい味”を作ろう」という思いがきっかけになっているとの事。
ちなみに1974年の発売当初は今のような味付けではなく、中華風の甘酢あんで仕上げられていたのだとか。当時の日本ではミートボールという存在自体がまだ新しく「こんな丸い肉料理、どう使うの?」という声もあったといいます。
「試行錯誤のなか、初代の味付けには中華風の甘酢ソースを採用しました。これは中国のミートボールを参考にしたわけではなく、『今の食卓に合いそうな味は何か?』をゼロベースで考えた結果です」(担当者)

そもそもミートボールはどこで発祥したのでしょうか。歴史あるミートボール料理・ショットブッラルの故郷であるスウェーデンは2018年、「我が国のミートボールは、実は18世紀初頭にカール12世がトルコから持ち帰ったレシピがベースになっています」とSNSにて説明。ミートボールの代表格とされているショットブッラルの起源は、トルコの「キョフテ」にあったのです。もちろん諸説ありますが、世界三大料理に数えられるトルコ料理となればその説の信ぴょう性は高そうです。

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「日本の定番おかず」について視野を広げてみると、ミートボール以外にも世界に繋がっているものがあるかもしれません。
(取材・文=つちだ四郎)
【取材協力】石井食品株式会社
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