宍粟市にある兵庫県立伊和高等学校では、最近話題沸騰中のスポーツ「モルック」の部活や授業が行われているのだとか。そもそもどういったスポーツなのかなど、詳しい話をモルック部顧問の阿部慶馬先生に聞きました。
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「フィンランド発祥の競技で、木でできたモルックというものを投げて、1から12の数字が書かれた『スキットル』を倒します。3名で1チームを結成し、先にぴったり50点を集めた方が勝利を掴みます」と阿部先生。スキットルを1本だけ倒すと記載してある点がそのまま反映されますが、2本以上倒すと倒した本数が点数になるため戦略性が試されるスポーツであるという一面があるそうです。「スキットルは倒された(飛ばされた)位置で復帰させるため、取られたくないスキットルをわざと遠くまで移動させる戦法を使う選手もいます」とも。
モルック部の創部のきっかけは、2024年の3月末に行われた職員会議にて話題が挙がったことなのだとか。「宍粟市は林業が盛んなので、競技で使う道具を自分たちで加工・生産したら面白いんじゃないかという案が出ました。こちらはまだ実現できていませんが、いつか叶えられたらと思っています」と阿部先生は話します。また、体力や筋力などを必要としない“誰でも始められるスポーツ”という点も注目され同年4月から始動しました。
現在の部員は1年の4名。行政の主催している地域の大会に参加するなどして、スキルを磨いているといいます。元日本代表選手で、現在は兵庫県モルック協会に所属している人が講師として加わっているそう。今後の部としての目標は「世界大会に出場すること」と阿部先生。そのためにも部員を充実させ、実力も上げていきたいと意気込みます。モルックのおもしろさについて聞くと、「誰もがとっつきやすいという点です。モルックのコントロールが苦手な子がひょんな一投で勝利することもあるんです。スポーツが不得意な人でも活躍できることは、最大の魅力だと思います」との回答が。
モルックを学ぶことが出来る講座もあり、第一希望だけで20人ほどの応募を集める人気ぶり。こちらも、県のモルック協会に所属している講師が競技の歴史や文化をはじめ技術的な部分まで幅広く教えています。
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全日制の同校には現在全50名が在籍。特色選抜生のみが受講することができる「キャリア実践」にも力を入れており、生徒たちは産業・介護・保育など幅広いジャンルの実習先へ赴き日々さまざまな経験を積んでいます。そうした中でのモルックの取り組みは、彼らがより成長する為の糧となりそうです。
(取材・文=長塚花佳)
※ラジオ関西『Clip』水曜日 2025年8月13日放送回より





