「地産地消の未来を変える」 豊岡発!革新的な“食のマッチングアプリ” | ラジトピ ラジオ関西トピックス

「地産地消の未来を変える」 豊岡発!革新的な“食のマッチングアプリ”

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 兵庫県豊岡市で、農業と地域の未来を変える画期的な取り組みがはじまっている。平田オリザさん(劇作家・演出家)のラジオ番組(ラジオ関西『平田オリザの舞台は但馬』)に、一般社団法人トコサの代表・遠藤真森さんが出演。『農』をテーマにさまざまな活動をしている遠藤さんが開発した、地産地消アプリについて語った。

一般社団法人トコサ

 遠藤さんは、4年前に兵庫県豊岡市に移住した都市部出身の地域イノベーター。神戸生まれで、関西の都市部で育った遠藤さんが豊岡を選んだ理由は、家系のルーツと仕事のつながり、そして、生物多様性への深い関心にあった。

「父方の実家が豊岡ということもありますが、家系に昆虫の生態学などを専攻している人が多くて。コウノトリ野生復帰の取り組みなども、昔から興味を持っていたんです」(遠藤さん)

 前職はまちづくりを支援する会社で、特に、農業・農村分野を担当。豊岡市の10年間にわたる農業ビジョン策定に携わった経験を持つ。

 コロナ禍には、会社から出向する形で市役所の仕事に従事。農業ビジョンの推進に携わりながら地域とのつながりを深め、シェア農園の運営や在来種保全に向けた活動も行い、2年後に独立した。

 そんな遠藤さんが開発したのは、生産者と消費者を直接つなぐ新しい地産地消プラットフォームサービス『ToCSA(トコサ)』。欧米で普及している「CSA(Community Supported Agriculture)」(=生産者と消費者が連携し、前払いによる農産物の契約を通じて相互に支え合う仕組み)を、日本の文化に合わせてアレンジしたシステムだ。

 ToCSAの特徴は、以下の通り。

1)地域内に商品の受け渡しステーションを設置
2)生産者が商品を出品
3)消費者がアプリで予約・購入
4)指定したステーションに生産者が商品を届け、消費者が受け取る

 2024年11月にアプリをリリースし、現在、豊岡市内10か所にステーションが設置され、16人の生産者が参加。農家が生産した作物だけでなく、地元の食材を使った加工品・パン・お弁当なども販売されている。今年7月時点におけるアプリのインストール数は600を超え、実際に購入したことがある人は55人に達している。

生産者が商品を提供している様子
消費者が指定されたステーションで商品を受け取る

 特に注目すべきは、豊岡演劇祭との連携。演劇祭の会場を臨時の受け渡しステーションとして活用。観劇のついでに地元の食材を受け取れるという試みは、世界に類を見ないといえる。

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