生産者側のメリットも大きい。通常の直売所と同等の販売手数料であるため手元に残る金額が多く、予約販売であることから販売時のロスも発生しない。
これまで、食の安全への関心や、予約購入という概念は欧米ほど浸透していなかった。米価の高騰や宅配便の人手不足など、日本の食と農を取り巻く環境が大きく変化するなか、遠藤さんの取り組みは未来型の解決策を示唆しているのではないだろうか。
少しずつではあるが、販路の拡大と、地元消費者との直接的なつながりが生まれている。
将来的に、食べ物だけでなく地域のイベントやワークショップの情報掲載、予約機能なども追加する予定だそうで、「食べ物の地産地消を軸に、暮らしやすく魅力的な地域づくりのプラットフォームを目指している」という。
「これからのスタンダードになるかもしれない」という遠藤さんに、平田さんは以下の言葉とともに太鼓判を押した。
「但馬の強みは、カロリーベースだと自給率はほぼいけるという点ですしね。こういうシステムの存在を知ると、『あ、なるほどな』と思うけど、最初にシステムを考えた方は素晴らしいですよね」(平田さん)
予約購入という地産地消の形が、日本の農業と地域コミュニティに新たな息吹を吹き込もうとしている。
※ラジオ関西『平田オリザの舞台は但馬』2025年8月21日放送回より
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『平田オリザの舞台は但馬』
放送日時:毎週木曜日 12:30~12:54
放送局:ラジオ関西(AM 558khz / FM 91.1mhz)
パーソナリティー:平田オリザ、田名部真理
メール:oriza@jocr.jp
『ラジコ』では放送後1週間はタイムフリーでの聴取が可能。番組では、平田オリザさんが、ともにパーソナリティーを務める田名部真理さんと、これまでの自身の話しや演劇界への思い、移住拠点となっている兵庫・豊岡、但馬地域について、トークを進めていく。





