戦後80年・混迷の時代だからこそ聴きたい昭和の反戦歌 「戦争はいやだと私は書く」美空ひばりら名曲 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

戦後80年・混迷の時代だからこそ聴きたい昭和の反戦歌 「戦争はいやだと私は書く」美空ひばりら名曲

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 2025年は戦後80年の節目。日本は第二次世界大戦以来、戦争に参加していない稀有な平和国家となりましたが、近年の世界情勢を見るといたるところで戦争、紛争が勃発しています。

昭和には数々の反戦歌が歌われました(画像はイメージ)

 終戦記念日にあたる8月15日放送のラジオ関西『中将タカノリ・橋本菜津美の昭和卍パラダイス』では、こんな時代だからこそ聴きたい、戦争の悲劇や平和の尊さについて歌った昭和の反戦歌を特集。同番組パーソナリティーの中将タカノリ(シンガーソングライター・音楽評論家)と橋本菜津美(シンガーソングライター・インフルエンサー)が語り合いました。

 冒頭から「こないだの参議院選挙では“核は安全保証のために安上がり”と言う候補者がいました。唯一の核被害国である日本でそんなことを言う人がいるとは思いませんでした」と社会への危機感を語る中将。

 橋本も「学校の授業で戦争の悲惨さについてたくさん教わってきました。今のようにこれだけ戦争のニュースを見聞きする時代になるとは思いませんでした」と同調します。

 番組でまず中将が紹介したのは、1960年代後半に流行したグループサウンズから、ザ・タイガース『廃墟の鳩』(1968)とザ・リンド&リンダース『夜明けの十字架』(1968)。前者は神話のような風景が浮かぶ美しい曲ですが、実は原爆投下後の広島をイメージしたもの。後者はボーカルの加賀テツヤさんが、交流のあったトランペッター、ジョージがベトナム戦争で戦死した悲しみについて歌ったものだと言います。

ザ・リンド&リンダースのボーカル・加賀テツヤ(撮影・水谷紀久雄)

「当時は若者たちがベトナム戦争へのシンパシーや危機感を持っていたので、タイガースやリンド&リンダースのようなアイドル的なバンドも積極的に反戦歌を発表しました。今はそれがない。戦争をリアルに感じている若者が減っているのだと思います」(中将)

 続いて紹介したザ・フォーク・クルセダーズ『イムジン河』(1968)は、橋本にとって祖父とよくカラオケで歌った思い出の曲。もともとは北朝鮮でプロパガンダのために作られた楽曲だったものの、日本ではフォーク・クルセダーズによって国家の分断を嘆く反戦歌として歌われ、多くの若者に愛されたそうです。

 また『イムジン河』と並ぶフォークシーンの代表的反戦歌として紹介されたジローズ『戦争を知らない子供たち』(1971)。北山修さんが生んだこの名フレーズに対し、橋本は「私が子どもの頃までは学校に語り部が来たり、戦争体験者から直接話を聞く機会がありました。(戦争を知らない世代が増えること自体はいいことだけど)リアルな戦争体験を伝える人がいなくなったのは残念」と現代の若者として感想を語りました。

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