兵庫県宝塚市の森臨太郎市長が、このほど、ラジオ関西の生放送に出演し、就任から約5か月の思いや市の魅力などについて語った。
森市長は小児科の医師で、これまでに国内外の医療機関などでの勤務のほか、国連職員として少子高齢化関連政策に携わった。1995年の阪神・淡路大震災当時は医学部の6年生で「神戸市長田区の保健所でボランティアをしていた」と振り返る。ことし4月の宝塚市長選挙で初当選。「これまで(少子高齢化の転換策といった)政策を長くやってきたので、自分にできることがあるのではないかという思いだった」と、立候補のきっかけについて語った。
宝塚市の魅力について「全国どこへ行っても宝塚という市名は知られている。(高い知名度を)引っぱっているのが、宝塚歌劇と漫画家・手塚治虫といった文化、芸術」と語った。その上で「市の面積の3分の2が里山地域。緑豊かで、文化や芸術もある豊かな暮らしができるまち」と紹介した。
一方、宝塚市は「阪神地域の中でも少子高齢化が最も進んでいる地域のひとつ。今、転換政策が必要な過渡期にある」という。
こうした中で、公共交通やインフラを維持していくことが、行政にとっての大きな課題となっており、そのために「財政難と向き合うことが、“一丁目一番地”」とした。現在の事業を整理しながら「単にコストカットという方向ではなく、新しい福祉の考え方やインフラ整備のあり方を、これからの時代に合わせた形に作り直していきたい」と話す。
その上で、国連職員として世界50カ国以上の少子高齢化対策の事例を見てきた経験から「生き方が多様化する中で、ひとりひとりを大切にしていくという考え方は応用できる」と、今後の市政運営への意気込みを語った。
宝塚市では、森市長就任後『市民と市長の対話ひろば〜もりりんと語ろう、宝塚の未来〜』と題して、議会のない月に市民と語る場を設けている。月ごとにテーマを決めて、週に1度のペースで市内各所を巡るもので、これまでに8回開催。次回は11月に開催予定で「私自身も、市民の皆さんと一緒に(市政運営を)やろうという気持ちでいる。学生時代のニックネームである“もりりん”と気軽に呼んでもらい、身近に感じてもらえたら」と微笑んだ。
秋には、芸術や緑を楽しめるイベントが予定されている。10月3日から11月3日まで、現代美術家の故・元永定正氏の企画展『もーやんのオープンアトリエ』が、宝塚市立文化芸術センターで開催される。元永氏の作品展示とともに、市民から募集した椅子を並べた空間で、誰もが表現を楽しめる場所「オープンアトリエ」を作り上げる参加型アートプロジェクトとなっている。





