「買いたくなる」のは商品パッケージのせい? 緻密に張り巡らされた“仕掛け”に脳が反応 識者が解説 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

「買いたくなる」のは商品パッケージのせい? 緻密に張り巡らされた“仕掛け”に脳が反応 識者が解説

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 ほぼ毎日目にすると言っても過言ではない「商品パッケージ」。消費者の購買意欲を高めるため、じつは多くの“仕掛け”がなされているのだとか。それがどんなものなのか気になった筆者は、パッケージマーケターの松浦陽司さんに話を聞きました。

スーパーやコンビニなどに並ぶ商品のパッケージに隠された「ギミック」とは?

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●「売れる色・売れない色」がある

 松浦さんは売れる色として、赤・青・黒・白を挙げます。「赤=血」「青=海」「黒=暗闇」「白=雪山」を連想させるカラーだそう。これらは“生死に関わる色”であるため、心理的に手が伸びやすくなるのだとか。逆に売れない色は緑・黄色・紫で、これらは心理的に“危険”を感じさせにくいため、商品に手が伸びにくくなる作用があるとの事。ただし、商品カラーがリンクしたパッケージでは、これが当てはまらない場合もあります。例えば、「緑→茶のパッケージ」「黄色→ビール」「ぶどう味の食品→紫」などです。

●販売促進を狙った視覚効果を仕掛けている

 味噌汁など、スープ商品のパッケージを見てみましょう。豆腐やわかめが浮いている写真がよく使われていますが、本来具材は汁に沈むため“ありえないビジュアル”なのだとか。しかし「その通り」の写真では中身が伝わりにくいため、不自然であることを承知の上で、実際には起こりえない状態(状況)の画作りをすることもあるのだそう。

●視覚は「脳を騙す」?

 脳の判断において、視覚の影響は83%~87%を占めるといいます。そのため、無意識に「色に騙される」ことはよくある事なのだとか。たとえば、かき氷。「赤はイチゴの味、緑はメロンの味がする」と思い込んでいますが、それは脳が「見た目の味」を感じているに過ぎないとか。そのため目隠しをして食べると、シロップの味の区別は出来なくなるそう。ちなみに、目隠しした状態で梨を食べさせところ、「リンゴ」「柿」といった異なる果物を回答した人が多かったという実験結果もあります。

脳は、かき氷の「シロップの色」で味を判断していた

●引っ越しのダンボールはなぜ「白」?

 人は薄い色を“軽い”と錯覚するため、その理屈で言うと「白=最も軽い」「黒=最も重い」となります。引っ越し業者の段ボールが白いのは、運び手に「軽い」という印象を与えるためだそう。一般的な茶色のダンボールだと心理的に重さを感じてしまうのだとか。逆の心理を利用したパターンがラグビーのユニフォーム。特に黒を着用した選手は強く見えるため、スクラムを組む際に「動かしにくい」というイメージを与えることがあるようです。

引っ越しのダンボールの色にも意味がある

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 パッケージには、人間の心理をくすぐる多種多様な仕掛けがなされていることが分かりました。今後、買い物をする際にはそのような視点で観察してみるとおもしろいかもしれません。

(取材・文=堀田将生)

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