神戸市やメーカー、小売店、リサイクラー(再資源化事業者)などが進める、日用品などのつめかえパックをリサイクルし、つめかえパックに戻す取り組み「神戸プラスチックネクスト~みんなでつなげよう。つめかえパックリサイクル~」が新たな段階を迎えている。メーカーが再利用で作ったパウチの試作品を実際の利用に向けて検討に入ったほか、リサイクルへの市民参加を広げる取り組み「アンバサダー制度」導入も計画。全国に先駆けたリサイクルの取り組みがさらに加速しつつある。

「神戸プラスチック―」は、市内の小売店舗などに設置した回収ボックスを通じ、洗剤やシャンプーなど日用品の使用済みつめかえパックを分別回収し、再び同じ用途に戻す「水平リサイクル(フィルムtoフィルム)」の実現を目指す先駆的なプロジェクト。神戸市を主体に、小売4社、日用品メーカー10社、リサイクラー1社など計17社・団体が参加、「競合」の関係にある企業同士が垣根を越えて協働し、プラスチック資源の循環を目指す点が大きな特徴だ。回収されたつめかえパックは、選別、粉砕、ペレット化といった工程を経て再生材料として活用される。
プロジェクトは2021年10月にスタート。第4期(2024年10月~2025年9月末)に回収したつめかえパックは約2.2トンに上り、事業開始から4年間の累計回収量は約7.04トンとなった。神戸市内の小売74店舗と公共施設など38カ所に回収ボックスを設置し、市民が日常の買い物の延長で参加できる仕組みを作ってきた成果が数字に表れた。
第4期では、水平リサイクルの社会実装に向けた過程として、回収したつめかえパック由来の再生樹脂を用いた製品づくりも進んだ。再生樹脂を50%使用したフィルムから作られた「リサイクル傘」300本は、傘のシェアリングサービス「アイカサ」を通じて神戸市内で運用され、市民が実際に利用。また、回収ボックス100台も製造され、1台あたり約3.7キログラムのうち10%につめかえパック由来の再生樹脂が使われている。
啓発活動にも力を入れてきた。「こうべ環境博覧会『かんぱく』」への出展では、子どもたちが参加するリサイクル傘づくり体験を実施し、楽しみながらプラスチック資源循環を学ぶ機会を提供。関西学院大学との連携によるフィールドワークでは、学生が回収やリサイクルの現場を訪れ、循環型社会の実際を学んだ。さらに、廃棄物資源循環学会の研究部会で活動実績を発表するなど、学術分野への情報発信も行った。
こうした取り組みの背景には、制度面での大きな転換がある。2026年4月に施行される「改正資源有効利用促進法」では、容器包装のプラスチック部材への再生プラスチック使用が義務付けられ、日用品メーカーには利用計画の提出や実績の定期報告が求められるようになる。これを見据え、神戸プラスチックネクストは第5期(2025年10月~2026年9月)に入り、本格的な製品化に向けた取り組みに注力する。
柱となるのが、参加メーカーによる水平リサイクルパウチ試作品の評価検討だ。再生材を一部に含むつめかえパックの試作品を共同で製作、洗剤や化粧品など内容物の異なる製品ごとに、耐久性や品質、実用性に問題がないかを検証する。評価試験について、プロジェクトに参加する「小林製薬」(大阪市中央区)経営企画部の上田祐実さんは「つめかえパックの中身はさまざまなので、中にどれだけの液体が入るか、内容物とパウチの相性なども検証が必要。各社の品質基準も異なり、条件が合致するかも見ながら丁寧に確認していく。やってみないと分からないことも多い」と説明する。





