正月の鏡餅・ひな祭りの菱餅・端午の節句の柏餅など、暮らしの節目を祝う行事の縁起物としてしばしば扱われる食材「餅」。今回筆者が注目したのが「一升餅」です。どういった節目を祝う餅なのでしょうか? 詳しい話を村井製菓株式会社(兵庫県姫路市)の村井沙邦莉さんに聞きました。
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「一升餅とは、子どもの1歳の誕生日に一升分(約1.8キロ)の餅を用意し『一生食べ物に困らないように』という願いを込めて行われる日本の伝統行事です」(村井さん)
行事の形は地域によって異なります。餅を背負わせるところもあれば、踏ませる地域もあるのだそう。創業当時から杵つき餅を作り続けているという同社では、一升餅は年間を通して注文があるとか。

伝統的な風習がいまだ残る地域とはいえ、意味や由来まで知る人はどれくらいいるのでしょうか。
「昔とくらべると、やはり最初から意味を理解して注文する人ばかりではありません。そのため、売るだけでなく意味や由来も伝えることを大切にしています。SNSを活用しながら、古き良き伝統を次の世代に伝えられるように試行錯誤しています」(村井さん)
現代では写真撮影を重視する家庭も増えているといい、一升餅への名入れ希望も多いといいます。昔では考えられなかった細工に対応することも、未来へ伝統へ繋ぐことに一役買うことになっているのかもしれません。
(取材・文=洲崎春花)
※ラジオ関西「谷五郎の笑って暮らそう」2025年12月28日放送分より


●村井製菓株式会社
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