全盲で車いす生活を送りながら活動するミュージシャン・山下純一さんが、このたび、ラジオ番組に出演。音楽とともに歩んできた人生や、独自の演奏スタイルについて語りました。
京都を拠点に活動する山下さんは、ハーモニカを中心に演奏するミュージシャンです。独自の演奏スタイルと表現力で、多くの人を魅了しています。
山下さんは2歳のころに病気が見つかり、成長とともに歩くことが難しくなりました。体の関節が思うように動かず、手足にも変形があるため、小学生のころから車いすで生活しています。さらに、幼いころから視力が弱く、20歳のころには完全に視力を失いました。
音楽との出会いは高校時代でした。
「それまでは、歌うことが恥ずかしかった」と振り返りますが、ドラムに興味を持ったことをきっかけに音楽の世界に足を踏み入れました。その後、自分の体でも演奏できる楽器を探すなかで、ハーモニカと出会います。
しかし、演奏方法には大きな壁がありました。ブルースハーモニカは、マイクとハーモニカを両手で包み込むように持つのが一般的なスタイル。ところが山下さんは手の変形のため、その持ち方ができませんでした。
それでも山下さんは、マイクを手放さなかったといいます。テレビを見るときも、横になっているときも、常に手に持ち続けながら試行錯誤を重ねました。
「ある日、寝っ転がっりながらハーモニカを持ったときに、重力が味方になって手がいつもより曲がったんですよ。それで、マイクを逆さまにするみたいにして持ったら、包み込んで片手で持てた。『これならいい音がでるやん』と思った」(山下さん)
その持ち方を座った状態でも再現できるよう、繰り返し練習を重ねました。やがて、目指していた音を出せるように。その努力は、障がいの有無に関係なく参加できる全国規模のハーモニカコンテストでの優勝という形で実を結びました。
同コンテストでの優勝について、山下さんは「ものすごい励みになりました」と振り返ります。
音楽を続けてきた原動力については、次のように語りました。
「いまになって、なぜそこまで求めていたのかと振り返ると、寂しかったんじゃないですかね。人生をもっと楽しむために音楽をやってみたとき、健常者も障がい者も関係なく人とわいわいできた。そこに、すがるような思いだったんでしょうね」(山下さん)





