《Expo Legacy》平和をつなぐとは?被災地の希望とは?アートディレクター・水谷孝次さん

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 だからこそ今、笑顔で手を取り合い、協力し合いながら未来を創っていくことが必要です。子どもたちの笑顔を守ることは、未来そのものを守ること。
そして、子どもたちの笑顔には、
世界をひとつにする力があります。もし、武器や核の傘を「笑顔の傘」に変えることができたなら、
きっと平和は、現実のものになります。
 すべてのアートとデザインは、平和のために存在する。
平和のファーストアクションは、「笑顔」です。

 あなたが笑うとき、世界の誰かも笑う。
あなたが平和を願うとき、世界は平和へ向かう。
 万博会場にあふれた笑顔と平和を、
10年後、50年後、100年後の未来へ――世界中へ広げて、繋いでいくこと。それこそが、大阪・関西万博の本当のレガシーです。
 この万博が残した「いのち輝く未来社会のデザイン」とは、
世界の人々の“希望の笑顔”そのものです。

 大阪・関西万博からさかのぼること30年、1995年1月17日。阪神・淡路大震災が発生しました。
 「何か僕にできることはないだろうか」。私は、震災の教訓を忘れないために、震災の惨状を撮った写真をデザインして、B0(ビーゼロ※)サイズの3点シリーズポスターを作ったのです。

 そして、東京都内の電鉄会社と交渉して、そのポスターを多くの東京の駅構内に貼ってもらった。それは、被災地と首都圏の“温度差”があまりにも大きかったから。さらに、チャリティーTシャツを販売し、収益金はすべて神戸の復興のために寄付しました。
 阪神・淡路大震災をきっかけに、ソーシャルデザインをスタートし、震災4年後の1999年に私が代表となってMERRY PROJECT が生まれたのです。あれから31年、活動を継続しています。

 愛知で生まれ、東京でクリエイティブに没頭する私ですが、神戸は私にとって、特別な場所です。
 震災から7年後の2002年、「FIFA 日韓サッカーワールドカップ」が神戸で開催されるまで元気になり、「神戸21世紀・復興記念事業」として、「MERRY IN KOBE」を展開しました。

 震災の時に多くの人が助けてくれた、その人たちに対する感謝の気持ちとして復興の象徴となる神戸市民の笑顔を、ひまわり畑で撮影し、それをポスターにして、神戸の街の多くの場所で展開しました。

 今後も神戸の人々の心の復興を進める手助けをしていきたいのです。東日本大震災、能登半島地震の方々に向けても。

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