重さ計約540トン(1個あたり約2.4トン)。2つずつ積み重ね、高さ約1.6メートル、全長約150メートルにのぼる。一般来園者の誰もが観ることができ、“日の当たる”芸術作品へ生まれ変わった。


タイトルは「Expo 2025 Legacy Wall "THE LOOP”(レガシーウォール『ザ・ループ』)」。
壁面には、ミューラル(大規模壁画)アーティスト・KAC氏(ケエシ・兵庫県宝塚市在住)が、ルクセンブルクパビリオンのロゴやルクセンブルクの国花・バラなどをモチーフにした絵などを描いた。


地下で沈黙していた巨大なコンクリートブロックに、鮮やかな色彩を宿らせたKAC氏は2024年、神港学園高校(神戸市中央区)校舎の阿部一二三選手のファイティングポーズ壁画、2022年には「くら寿司・新世界通天閣店」(大阪市浪速区)の壁画制作なども手掛けている。


今年の5月はとりわけ日射しが強い。車に寝泊まりしながら、夜になっても描き続けた。夜は急激に気温が下がる。自然と共存するネスタリゾート神戸。「気温の上昇とともに、虫たちがどんどん成長して飛んでくるんですよ。とにかく大変でした」。気づけば2週間経ち、セレモニー当日の朝までに描き上げた。


そして、「万博開催中は日の目を見ずに地下にあったコンクリートが、地上に出てくる。来場者の誰もが見たことがなかった塊(かたまり)を新たな価値観で表現することに共感した。オファーをいただき、『すごくカッコいい。めっちゃ、やりたいな』と意欲がわいた。はじめは7メートルだけの予定が、『描けるなら全部描きたい』と、150メートル全てを描くことに。 ルクセンブルクの文化・芸術、ネスタリゾート神戸のアトラクション、そして僕のテーマである“目玉”、目玉は喜怒哀楽を表現するから…そうしたものを一挙に集めて、右から左、左から右に歩きながら見ていただき、導線になれば、と思う。ミューラルの世界は、縦長の壁面がキャンバス。しかし今回は横長という、とても難易度の高い作品に力の限りチャレンジできた。ルクセンブルクパビリオンのテーマは『Doki Doki ときめくルクセンブルク』。今度は日の目を見なかったブロックたちが現れてドキドキしていただけることに感動しました」と満面の笑みで話した。


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【連載】「解体から再生へ」ルクセンブルクパビリオンが挑んだ循環の物語 第4回 部材編②地中から掘り起こされた巨大ブロックの行方






