ルクセンブルク館のコンクリート、アートで再生!ネスタリゾート神戸《Expo Legacy》

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ネスタリゾート神戸・小野里直樹総支配人「これまでの常識とは異なる考え方でサステナビリティを考えねば」〈2026年5月26日 兵庫県三木市・ネスタリゾート神戸〉
登壇する小野里尚樹氏(左から2人目)〈2025年7月17日 大阪市此花区・夢洲〉©GIE-Luxembourg-@Expo-2025-Chris-Schuff
登壇する渡邊麗氏(左から3人目)〈2025年7月17日 大阪市此花区・夢洲〉©GIE-Luxembourg-@Expo-2025-Chris-Schuff

 日本では使用済みの基礎コンクリートブロックは、破砕処理を行い、再生骨材として活用する「ダウンサイクル」が一般的。ただ、この工程の加工費用は莫大で、破砕や運搬時に発生するCO2排出、粉塵の発生、リサイクル効率の限界など、多くの課題が指摘されている。

 このように改善不能とされた問題の解決のために、ルクセンブルク当局やネスタリゾート神戸とともに奔走したのが、空間デザインプロデュース大手・船場(本社・東京都港区)だ。

「ダウンサイクルが主流のコンクリートブロック。従来ならば価値が下がるものをどうリユースするかという挑戦だった」と話すのは、ルクセンブルクパビリオンの再利用計画支援を担当した船場のSocial Design Port ビジネスプロデューサー・渡邉麗(うらら)氏。

 渡邉氏は、「我々の取り組みは、未来にやさしい空間を創り出す“空間創造事業”。しかし、その実現にはゴミを大量に排出していた側面があった。これからはエシカル(倫理的)な取り組みで、社会問題の解決を図らなければならない」と訴える。

 そして、「エシカルは思いやり。地域社会や自然環境を鑑みると、廃棄方法まで考えることが重要。そのためには従来難しいと言われたルールを超えなければ」と前を向く。

ラジオ関西の単独インタビューに答えるルクセンブルクパビリオンを設計者・アルノー・デマイヤー氏〈2024年1月25日 大阪市住之江区〉
カンファレンスでサジェスチヨンするルクセンブルクパビリオンを設計者・アルノー・デマイヤー氏〈2025年7月17日 大阪市此花区・夢洲〉

 パビリオンを設計したアルノー・デマイヤー氏は、万博開幕前の2024年2月、ラジオ関西の単独インタビューに応じ、「循環経済をコンセプトに、材料はリユース(再利用)できるものを使用。日本で調達できる、環境に優しく、軽量な資材は何かを模索した」と自信を見せていた。ルクセンブルク貿易投資事務所 エグゼクティブ・ディレクターの松野百合子氏は万博閉幕後の今、「彼(デマイヤー氏)が、建築家として強く訴え続けたサーキュラーエコノミーへの思いが、次々に実っている」と高く評価する。
 サーキュラー・バイ・デザインを採用したルクセンブルクパビリオンは、大阪・関西万博でBIE(博覧会国際事務局)から「サステナビリティ賞」を受賞した。

 ルクセンブルクパビリオンは、来館者を雨や熱から守るため、独自で開発した膜屋根を使う構造とした。仮に木材を使うと重さが20~30倍にもなるという。 1千平方メートルもあったパビリオンの膜屋根は、東京・表参道のMondo Design(モンドデザイン)がバッグや小物に加工。外壁パネルは京都・ 京田辺市の神工建設がコンクリート型枠として再利用。鉄骨構造は2028年に大阪・交野市でコミュニティスペースへの転用が予定されている。そして、基礎コンクリートメガブロック220個はネスタリゾート神戸でこのたび再生され、すべての部材が旅立ち、日本国内で新たな“生”を歩む。


■ネスタリゾート神戸


■外部リンク
【連載】「解体から再生へ」ルクセンブルクパビリオンが挑んだ循環の物語 第4回 部材編②地中から掘り起こされた巨大ブロックの行方

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