神戸市の歴史的公文書や震災資料などを保存、公開する「神戸市歴史公文書館」(神戸市兵庫区)が1日、オープンした。明治期から現代までの市政の歩みを伝える約20万点の資料を収蔵し、市民が閲覧、活用できる拠点が誕生した。

神戸市は2026年4月に公文書等管理条例を施行。歴史資料として重要な公文書の適切な保存や利活用を進めるため、特定歴史公文書などを整理、保存し、調査研究や市民利用を促進する施設として同館を開設した。市は公文書を「市民共有の知的資源」と位置づけ、保存と公開を通じて市政運営の検証や効率的な市政運営に役立てたいとしている。
神戸市歴史公文書館は新築の本館と、1927(昭和2)年建設の国登録有形文化財「旧岡方倶楽部」を改修した別館で構成。本館には収蔵庫や閲覧室があり、別館には展示室を設置した。
開館時点での主な保存資料は約20万点。昭和30年以前の公文書約4000冊をはじめ、戦災関連資料約800点、阪神・淡路大震災関連文書約1万3000冊、写真・写真データ約12万3000点、地図や絵葉書など約3500点を収蔵する。




本館での閲覧は事前申請が必要。資料検索システムを使って所蔵資料を検索し、利用請求書をメールなどで提出すると、2週間ほどで閲覧の可否が決まる。閲覧が了承されると、閲覧室で資料を見たり、写しの交付を受けることができる。一方、別館展示室は、利用に事前申請は不要で、開館時間内に自由に見学できる。神戸市成立から現在までの歩みや旧岡方倶楽部の歴史を紹介した展示などのほか、昭和期の市政映像をデジタルサイネージで上映。開館記念展示「兵庫津遺跡第97次調査」も行っている。

開館に先立ち開かれた記念式典で、久元喜造市長は「国立公文書館(東京都千代田区)の展示方法を参考にし、市政が始まった時以来の重要な文書を直接ご覧いただく形で整理することができた。空襲を免れた文書や震災時に作成された文書についてもきちんと保存、後世に引き継がれていくことになり、たいへんありがたい」と述べ、「たくさんの市民に来てもらって市のこれまでの歩みに思いをはせ、神戸の現在を考え、未来を展望する拠点にしてほしい」と期待を寄せた。





