「本当にオフィス?」コクヨ新本社、大阪・最後の一等地に込めた“会社に行きたくなる”仕掛け

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 空間もユニークだ。

 読書などができるリラックススペース、子どもと一緒に過ごせるウェルネスルーム、軽く体を動かせるジムスペース、社員同士の交流を促すカフェやバー。イベントスペースには鉄板も備えられ、お好み焼きなどを囲みながらコミュニケーションを深めることも想定しているという。大阪・うめきたの街並みを一望できる眺望も、このオフィスならではの魅力のひとつだ。

ソロワークスペースも
多目的エリア内に設けられた調理スペース。鉄板を使ってお好み焼きを焼く様子も見られた。

 実際、担当者自身もカフェスペースがお気に入りだという。

「朝にここで仕事をすると、周りでどんな打ち合わせが行われているのか自然と見えてくる。自分の仕事とは違う盛り上がりや発見があって面白いんです」

 一見すると、「遊びに来たのでは」と思ってしまいそうだが、そこにも狙いがある。

 担当者は「楽しんで働くことは大事」と話す。同社ではスーパーフレックス制度を採用し、働く場所や時間についても社員の自主性を重視する。

 オフィス側が一方的に行動を決めるのではなく、社員が自ら場所を選び、人と出会い、新たな体験を得る。その積み重ねが組織の活性化につながるという考え方だ。

「根底には性善説の考え方がある。社員がそれぞれ役割を果たしてくれることを信じている」

社内のウェルネスルームは、親子で過ごしたり、授乳室・祈とう室としての利用など、複数のタイプの部屋がある(画像提供:コクヨ)
「Parkside」(パークサイド)と名付けた場所の一角にある、社内外の交流・学びの場として使える大きなイベントエリア「Townhall(タウンホール)」(画像提供:コクヨ)

 コクヨでは、社員が実際に働くオフィスを顧客にも公開し、自ら新しい働き方を実践・検証する「ライブオフィス」の取り組みを続けてきた。

 その代表例が、2021年に大規模リニューアルした東京・品川のオフィス「THE CAMPUS」だ。街に開かれた空間づくりや社員同士の交流を促す取り組みを続けた結果、社員エンゲージメント調査では「挑戦する風土」のスコアが5年間で11ポイント上昇したという。

コクヨの歴史を感じることのできる展示

 コクヨにとって、この新本社は、そのライブオフィスの考え方をさらに発展させた実践の場でもある。

 空間設計では、GoogleやMeta、Netflixなど世界的企業のオフィス設計を手掛けてきた米デザイン事務所「Studio O+A」と協業。社員同士だけでなく、企業同士の偶発的な出会いも生まれるよう設計されている。

「Marketplace(マーケットプレイス)」という多目的エリアの一角(画像提供:コクヨ)

 また、その視線は社内だけに向いているわけではない。

 グラングリーン大阪のあるうめきたでは近年、本社機能を移転する企業が相次ぐ。塩野義製薬が昨年(2025年)11月に、クボタが今年(2026年)5月に、ビジネス拠点としての新たな船出を切り、「大阪・最後の一等地」への集積が進んでいる。

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