俳優の関口メンディーさんが、11月から上演されるタクフェス第14弾『北の島から』で舞台初主演に挑む。公演を前に9月、大阪市内で行われた合同取材会に出席し、舞台への意気込みや、独立後の心境について語った。

主演が決まったときは、舞台経験が乏しかったこともあり、「最初は率直に『なんで僕なんだろう』と思った」と振り返るメンディーさん。
しかも、今回の作品は脚本家・俳優の宅間孝行さんが手掛けるエンターテインメントプロジェクト「タクフェス」の新作。「責任は重大。その期待に応えられるように頑張りたい」と気を引き締める。
舞台は、北海道の最北端・礼文島。個性豊かな家族や島民が巻き起こす“笑って泣ける大騒動”を描いた作品で、メンディーさんは若手漁師のリーダー・小坂翼を演じる。
役作りのため、実際に礼文島を訪れ、現地の漁師の暮らしにも触れた。さらに、漁協の若手リーダーから話を聞く中で、「中間管理職、板挟みみたいな立ち位置」での苦労や葛藤に触れたという。その姿に、「もともと大きな事務所にいた中で感じた」自身の思いと重なる部分もあった。
「この小坂翼というキャラクターが、全く別人とは思えない。自分に似たような部分もあるなと思えるので、演じるべくして演じることになったキャラクター」
もともと演劇の世界に興味があったというメンディーさん。映画やドラマで共演する俳優たちが、舞台を経験して力をつけていく姿を見てきたことも、今回の挑戦につながった。「流れが止まらずに、生ものでずっと続けていくお芝居というものがとても重要なんだなと感じていた」。舞台だからこそ生まれる表現に魅力を感じているといい、「今後も舞台には立っていきたい」と意欲を見せる。
今回の舞台では、宅間さんから「自分のせりふだけではなく、全部覚えてほしい」とアドバイスされたという。映画やドラマでは自分のせりふを中心に覚え、周囲のせりふはあえて覚えないようにしていたというメンディーさん。「舞台が生ものというところもあって、せりふが飛んでしまったりとか、何かアクシデントがあるっていうことも考えられる。その時に全体を把握していないと、そこから復旧することができない」と、舞台ならではの難しさを感じている。
さらに今作について、「かなり役者に委ねられる」と感じたという。大きな事件が起きるのではなく、家族の日常で起こる出来事を描く作品だからこそ、「せりふの間(ま)一つだったりとか、どういうふうに言うのかで、面白いか面白くないかが決まる」と分析。「こういう、ある種ストイックなお話を演じられるようになったら、役者としても成長できる」と語り、「『北の島から』は自分にとって、役者人生の中でのターニングポイントになりそう」と期待を込めた。

大手事務所から離れて独立し、約2年。新たな挑戦ができるようになった一方で、「離れてみて、とても恵まれていたんだなとすごく思う。いろんな方々にサポートしていただいて、ある意味、守られた環境でずっと活動をすることができていた」と、これまでの環境への感謝も口にする。
独立後、仕事に向き合ううえで大切にしているのは、「人とのつながり」や「一つひとつのお仕事をちゃんと全力で向き合ってやっていくこと」だという。「毎回のお仕事で、自分の出せる力を120パーセント、いや、1000パーセント使ってやっていく、そのことだけしか考えていない」。





