一つひとつ、丁寧に和紙で作るランプシェードやインテリアオブジェ。兵庫県赤穂市御崎の古民家にある「幸灯工房」。そこで作品を生み出し続ける濱坂幸代さん。赤穂市には3年前に引っ越してきた。
濱坂さんの作る作品は、主に和紙を使っている。すべて、オリジナルの作品だ。デザインは抽象的なものが多く、不思議と心を惹かれる。
建物自体、植物やテラスに囲まれてメルヘンな雰囲気があるうえ、中に入ってもレトロな物が出迎えてくれる。本当に不思議の国に迷い込んだアリスのような気持ちだ。
自然や植物といったところからインスピレーションを受け、有機的な形を生み出す。煮詰まったときなどは、近所を散歩したり、夕日を眺めたりと自然の中に身を置く。その影響なのか、作品を一つずつ見ていくと、抽象的なデザインではあるが、どこか炎や星といったイメージが思い浮かんだ。
濱坂さんは、「灯り」の勉強を専門にはしていなかった。美術系の大学に通っているときは、インテリアデザインの勉強をしていた。インテリア全般を学ぶなかで、空間演出で欠かせない「灯り」に出会い、興味を持った。そのときから独自で勉強・制作を行い、今に至るという。
主にオーダー制で制作・販売をしており、他には個展を開いた際に、来場したお客様が買っていくこともあるそうだ。お店の横には露天風呂が人気の温泉旅館「潮彩きらら 祥吉」があり、そこの客室ランプも濱坂さんの作品だ。
「幸灯工房」では作品の販売のほかに、ワークショップも行っている。お店は基本予約制。土曜・日曜に関しては、フラっと入店してもワークショップを開いてくれる。詳細は、「幸灯工房」の公式サイトに記載。11月には作品展の開催も予定されており、新作品を制作中だという。
「幸せ」な「灯」と書いて、「ゆきあかり」。店名こそが、濱坂さんの作品に込めた思いだ。ぜひ「幸灯工房」に立ち寄り、作品の鑑賞・ワークショップを体験してみてはどうだろうか。
■幸灯工房