11月1日は「灯台の日」。2020年、灯台が日本の海を照らして152年目となった。
1866(慶応2)年に、イギリス、フランス、オランダ、アメリカの4か国との間で締結した改税約書(江戸条約)に基づき、東京湾周辺など8か所に灯台の設置が求められた。当時、日本には洋式の灯台を建設する技術がなく、江戸幕府はフランスとイギリスに灯台のレンズや機械の買入れと建設の指導を依頼。
その後、明治新政府がこの事業を引き継ぎ、ヴェルニーを技師長とするフランス人技術者集団により、1868(明治元)年11月1日に「観音埼(かんのんさき)灯台」(神奈川県横須賀市)の建設が始まる。そして1870(明治3)年までにフランス人により観音埼灯台ほか3基の灯台を建設。
そしてイギリス人土木技師、R・H・ブラントンが設計して1877年(明治10年)までに30基の灯台が建設された。ブラントンは「日本の灯台の父」とも讃えられている。海上保安庁では、我が国初の洋式灯台「観音埼灯台」の起工日(1868年11月1日)にちなんで11月1日を「灯台記念日」と定めた。
近ごろは全国各地で観光資源としての灯台の価値を改めて見直し、活用していこうとする動きもある。しかし2020年は全国各地の灯台の一般公開が新型コロナウイルス感染防止のため中止に。灯台ファンにとっては寂しい季節となった。
「海と灯台ウィーク」
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