「ステイホーム」が新しい生活スタイルとして取り入れられる中、現役海上保安官の実演で「船飯」のレシピを知ってもらおうと制作した「明日への活力、みなぎる元気!! 海保の元気飯」のYouTube動画が公開されている。企画・制作は第5管区海上保安本部(神戸市中央区)の総務課の1セクション、広報・地域連携室の若手職員と保安官。管轄区域は主に太平洋に面した近畿・四国の7府県(兵庫・大阪・奈良・和歌山・滋賀・徳島・高知)。巡視船など47隻、航空機5機、職員約1100人でこれらの広い海域を守っている。
「ラジトピ」でも2020年8月~9月に計3回取り上げたが、神戸の庁舎で広報活動を担う若手職員らは、今回の料理を「全国各地で新型コロナウイルスの感染拡大の状況を踏まえ、お正月をご自宅でゆっくりと過ごされている方も多いかと思います。お正月料理でまったりとした口にピッタリした料理で、2021年のスタートを迎えてみてはいかがでしょうか?」というコンセプトで「ラジトピ」にアプローチした。
新年の「海猿たちの元気メシ」は堺海上保安署(大阪府堺市)から、千利休ゆかりの「わび・さび」をモチーフにした。これには大きな理由がある。
「ものの始まりなんでも堺」と言われるように、貿易都市・商業都市として栄えた堺は、日本の文化の先進都市としても名をはせた。なんでも堺がはじまりだというのが堺の自慢。鉄砲、自転車、菱垣廻船、木造洋式灯台etc…諸説あるが、技術・文化の発信地であった中世以降の堺で生まれた多くのものが、堺の職人・商人が全国各地に活動の場を広げることに伴って全国に広がったとされる。堺の隆盛ぶりに驚いた宣教師・ザビエルらは「東洋のベニス」と絶賛。
こうした歴史を踏まえて、堺海上保安署巡視船「みのお」主計士補・入庁5年目、山田望世(みつぎ)さん(25)が、これまでにない船飯として考案したのが「利休丼」と「抹茶わらび餅」。山田さんに苦労話を聞いた。
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