2020年が暮れようとしている。今年は新型コロナウイルスの感染拡大で多くの人たちが翻弄された。
そんななか、明るく前を向く人がいる。兵庫県丹波市在住の岡田美穂さん(37)。岡田さんは住み慣れた都会を離れ、4年前に丹波市に移住、農業の仕事を始めた。そして今年3月には新規就農者として丹波市からも認められ、念願のカフェもオープンした。月のうち半分は農業、もう半分はカフェという生活も半年を超えた。
夏はかき氷、冬は窯焼きのピサ作りなど、農業でつながった仲間たちと子どもたちや地域を巻き込んだイベントも行っている。ところが、そこに水を差したのが新型コロナウイルスだった。
■野菜送ってくれるのー?人生を変えた娘のことば
岡田さんは、転勤族だった父と母が都会で知り合って結婚して生まれた。丹波市には岡田さんの母の実家があり、父が退職を機に移住、母と一緒に農業と民宿を始めた。
西宮市で生まれ育ち、学校卒業後に仕事も始めて、その後、結婚。子どもも生まれたが「このままの人生で終わっちゃうのかな?」と思い悩んでいたある日、子どもから言われた何気ないひとことで人生の歯車が大きく動き出した。
「いつも丹波の親から新鮮な野菜を送ってもらっていたんですが、娘から『将来、おばあちゃんみたいにお母さんも野菜を送ってくれるんでしょう?』と言われたんです」
岡田さんは考えた末に「丹波に移りたい」と母に相談した。ところが母は「都会の方がいいよ。帰ってくるんなら、農業やらなあかんで」。そう言われ決心がにぶった。
しかし、「子どもたちに今の自分が何を残してあげられるのか。農業ができるかどうかわからないけど、やってみて、子どもに残せたらいい。それに今なら教えてくれる人もいる」。決意した岡田さんは丹波市に移り住んだ。
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