2月26日午前8時半ごろ、JR東海道本線・元町駅(神戸市中央区)で、男性がホームから線路に飛び込み、通過中の野洲発姫路行き新快速電車に衝突した。兵庫県警・生田署によると、飛び込んだ男性は神戸市西区の会社員(42)。電車のフロントガラスを突き破り、運転室も抜けて車内に突入、搬送先の病院で死亡が確認された。乗客2人が巻き添えになり、先頭車両の右側にいた男性(45)と衝突し、男性は左腕骨折の重傷。妊娠中の女性(21)も体調不良を訴えて病院に搬送された。
JR西日本によると、電車は元町駅を通過する際、時速100キロで走行していたという。東海道・山陽本線では2月26日、京都―姫路間で上下線が最大約2時間半運転を見合わせ計40本が運休、約3万8500人に影響が出た。
当時、元町駅1・2番線ホームで普通電車の到着を待っていた60代の男性会社員がラジオ関西の取材に応じた。
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「私は2番線に到着する普通電車をすぐ後ろで待っていました。姫路方面行きの新快速電車(元町駅は通過)は目と鼻の先の三ノ宮駅から緩やかなカーブを、スピードを落とさずに突っ込んでくる感じで元町駅の1番線に入ってきます。男性が飛び込んだのは、本当に一瞬のことでした。けたたましいブレーキ音がして、『バリッ』というガラスが破れる音がしました。『パリン』という音ではなく、鈍い音でした。後ろを振り向くと新快速電車は急停車して、男性の姿はありませんでした。『まさか、フロントガラスを突き破ったのか?』と思うと足が震えました。毎日、通勤で元町駅から新長田駅まで乗車しますが、両隣の三ノ宮駅や神戸駅はホームドアがある(三ノ宮駅は昇降式ホーム柵を一部設置、神戸駅では設置工事が進んでいる)のに、元町駅は通過用の1番線(下り・姫路方面)と4番線(上り・大阪方面)には固定された細いロープしかありませんからね。いつも危ないなぁと思っていました。元町駅のホームは、東西の両端の幅が狭いですから、新快速が通過する際に突風を感じますし」
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生田署によると、男性がホームの姫路寄りで飛び込む様子が駅構内のカメラに写っていたという。自殺とみられ、往来危険と傷害容疑で調べている。遺書は見つかっていない。フロントガラスは成人の腰より高い位置にあり、通過する直前に男性が飛び込んだ可能性がある。