神戸市須磨区の市営住宅で2018年、同居していた元妻を殺害し遺体を押し入れに隠したとして、殺人・死体遺棄の罪に問われた無職の男(51)の裁判員裁判で、神戸地裁は8日、求刑通り懲役18年の実刑判決を言い渡した。
弁護側は「元妻の死因は、そもそも首を圧迫(絞められて)殺害されたからなのか疑いがある。脳機能障害のため死亡した可能性がある」と殺人罪の無罪を主張、また「仮に首の圧迫が死因であったとしても男によるものなのか」として『事件性』と『犯人性』を争っていた。
しかし神戸地裁は判決で、遺体の司法解剖を担当した医師の証言などを基に「首の骨折状況から、ある程度強い力で首を圧迫され、窒息死した可能性が高い」と指摘。「遺体を隠匿しており、他に殺害した人物がいるとは考えられない」とした。
判決によると、男は2018年12月ごろ、当時住んでいた神戸市須磨区の市営住宅で元妻(当時49)の首を圧迫して窒息死させ、遺体を布や粘着テープで包み、寝室の押し入れに約半年間、隠して遺棄したとされる。