通学路や主要駅周辺、繁華街など。今、神戸市内のさまざまな場所に登場している「神戸市カメラ」と名付けられた防犯カメラは、2020年度と2021年度で、あわせて2000台を目標に設置が進められている。「神戸市カメラ」とは一体どのようなものなのか、神戸市・危機管理室の担当者に詳しく話を聞いた。
――「神戸市カメラ」は、どういった目的で設置されるんですか?
防犯を目的としていますが、なかでも近年発生が高止まりしている子どもや女性を狙った犯罪(「声かけ」「つきまとい」「公然わいせつ事案」「痴漢」など)の予防解決を主な目的として、神戸市が直営設置しています。
――これまでの防犯カメラとどう違うのでしょう。
これまでも平成24(2012)年度から「防犯カメラ設置補助事業」として、地域団体が防犯カメラを設置するにあたり、その経費を一部補助するというかたちで防犯カメラは設置していました。しかし、地域によって活用の在り方に濃淡ができ、防犯カメラの空白地域が見えてくるようになったという背景があります。また、平成30(2018)年5月に新潟市で小さなお子さんが下校中に襲われて亡くなるという事件があり、それをきっかけに全国的に通学路の安全対策が叫ばれるようになりました。神戸市においても過去に須磨区、長田区の方で児童が狙われる事件も発生していますので、安全安心を確保するため、市が主体的に防犯カメラの設置を進めていく方針となりました。
――より安全な範囲を広げようと始まったことなんですね。実際の設置は始まっているんですか?
今年度と来年度の二か年で2000台の設置を予定しています。今年度は東灘区、中央区、垂水区、北区の南部に約850台。来年度は残りの灘区、兵庫区、長田区、須磨区、西区、北区の北部に約1150台の設置を計画しています。
――具体的にはどういうところに設置されるんでしょうか。
2000台という限られた台数なので、公平かつ有効に設置するため神戸市では設置基準を設けています。小学校を中心とした半径500メートル圏内に平均10台、JR三ノ宮駅など利用者の多い主要駅を中心とした半径500メートル圏内に平均15台、そして三ノ宮北部の客引き禁止地区に20台を設置するという基本方針があります。そういった場所の通学路、通勤路、公園、広場等の公共空間に設置を進めます。