東日本大震災から10年を迎えた11日、阪神・淡路大震災で甚大な被害を受けた神戸の名刹、真言宗大本山・須磨寺(神戸市須磨区)で、慰霊法要が営まれた。
須磨寺は「源平ゆかりの古刹」。平敦盛が生前愛した青葉の笛や、弁慶の鐘など多数の重宝・史跡がある由緒ある寺院だ。
法要は東日本大震災の犠牲者の供養と、被災地の復興、国内外で起こった様々な災害の犠牲者を追悼するもので、東日本大震災発生時刻の午後2時46分をはさむよう、午後2時30分に始まり、発生時刻には「弁慶の鐘」と呼ばれる鐘楼で追悼の梵鐘を21回打ち鳴らした。
仏教においては「3」「7」「21」が縁起の良い数字とされる。「3」は吉祥を意味した幸せの数で、「7」は成就を意味する。「21」は3と7の乗数であり、さらに縁起が良いとされる。
須磨寺は、阪神・淡路大震災で塔頭の桜寿院(おうじゅいん)や蓮生院(れんしょういん)の建物が倒壊したほか、本堂、護摩堂、客殿、納骨堂が破損するなど、境内でも大きな被害を受けながら、身元不明の遺体の安置所にもなった。