突然ですが、あなたはチャップリンの映画をスクリーンで観たことがありますか? チャールズ・チャップリンといえば、山高帽にちょびひげ。大きめの靴をはき、ステッキをふりまわしながら歩く姿は唯一無二の放浪紳士です。映画が誕生しておよそ120年、数々のキャラクターが誕生しましたが、今もなお、世界中で愛されています。そんなチャップリン作品を、今、神戸の名画座、「パルシネマしんこうえん」で見ることができます。
チャールズ・チャップリンは1889年イギリス生まれ。舞台俳優だった両親はすぐに離婚し、母親ハンナに育てられました。5歳になったある日、病気のハンナにかわり務めた初舞台で大喝采を浴びます。
しかしその後、状況は悪くなるばかり。母は入院し、兄とともに施設へ。様々な仕事を転々とし、いつもお腹をすかせた壮絶な貧困生活を送ります。10代になり、舞台で才能を開花させると、ついに1914年、映画俳優としてのデビューを飾ります。そして間もなくトレードマークのThe Little Tramp=小さな放浪者のキャラクターが誕生しました。
「人生は近くで見れば悲劇だが、遠くから見れば喜劇である」、チャップリンの言葉です。貧しくて失敗ばかり。小さな体でいつも大きな敵と戦っている姿は、『キッド』、『黄金狂時代』、『街の灯』、そして『モダン・タイムス』など、サイレント時代からトーキー時代にかけて、笑いと涙を誘い、世界中の人気者となりました。
チャップリンが兄シドニー、日本人運転手の高野虎市とともに、はじめて神戸港に降り立ったのは1932年5月。
そして1936年。アメリカで『モダン・タイムス』が封切りになった後、ヒロインをつとめたポーレット・ゴダードとともに出かけたアジア旅行の途中にも、神戸に立ち寄っています。
神戸で訪れた場所の1つとされるのが、新開地や湊川公園。その街にある映画館「パルシネマしんこうえん」で、5月24日から6月2日まで『モダン・タイムス』が上映されます。“朝パル”と銘打った午前9時から1日1度の上映。その後も『ニューヨークの王様』(6月2日~9日)、『黄金狂時代』(6月29日~7月7日)など、チャップリン作品が予定されています。