1967年から続く、ニッポン放送の看板番組『オールナイトニッポン』。歴代、芸能界のトップスターたちがパーソナリティーを務め、東京都千代田区有楽町のスタジオから全国のリスナーへ向けて放送してきた深夜ラジオの代名詞的存在です。その歴史ある『ANN』を裏方として支える、ニッポン放送・野上大貴ディレクター(28)が、8月1日、ラジオ関西『さらば青春の光 東ブクロの学生芸人YOAKEMAE』に出演。その収録後、インタビューに応じ、ラジオディレクターの仕事や業界の未来について語りました。
◆「パーソナリティーが全力で楽しめる番組を」
――野上さんは、もともとラジオ業界を志望していたんですか?
【野上】就職先として考えるようになったのは、就活が始まるくらいのタイミングからですね。マスコミ系を希望していて、ラジオ業界は選択肢の1つという感じでした。中3くらいからラジオを聴いてはいたんですけど、「いろんな娯楽が好きなうちの1つ」という感じで。「ラジオがないとダメだ」ってタイプではなかったんですよ。
――ラジオ業界にこだわりがあったわけではなかったんですね。就職前は、どんな番組を聴いていたのですか?
【野上】芸人さんの番組ばっかりです。人生で初めて聴いたのが『ナインティナインのオールナイトニッポン』(ニッポン放送)で、そこから『オードリーのオールナイトニッポン』(ニッポン放送)とか。それから『JUNK』(TBSラジオ)で伊集院さんや南海キャンディーズ・山里さんの番組とか……。25時~27時の王道深夜ラジオの中から、興味ある芸人さんの番組を聴くというだけでしたね。
ラジオ局に入ってみたら、死ぬほどラジオ好きな人がほとんどでした。「自分の熱量大丈夫かな?」と思うこともあります(笑)。毎日ラジオを聴くのが当たり前な人ばっかりで、すごいです。今でこそ毎日聴きますけど、僕の場合は局に入ってから好きになった、っていうほうが大きいですね。
――ラジオへの熱量が昔から高かった人よりも、その分フラットな目で仕事ができるような気もします。
【野上】ラジオって、けっこう「内輪ノリ」みたいになってしまいがちなんですよね。なので「それじゃ伝わらない」ということがないよう、客観的に見られるということはあるかもしれないです。めちゃくちゃ聴いてこなかったからこその視点というか。でもそんな、たいして俯瞰で見られているわけでもないですが……。