緊急事態宣言の全面解除を経て、営業を再開しているカラオケ店も増えてきました。マイク片手に歌を楽しんでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか? また、ライブやイベントにもマイクは欠かせません。今回は、そんなマイクの“感度”について、普段はラジオを陰で支えている技術スタッフが、ラジオ番組のなかで解説しました。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
⾃宅で歌を録⾳したり、ライブで歌う時に⾃分だけの専⽤マイクが欲しい!と思ったりする方もいると思います。マイクには、ハンドマイクやピンマイク、 ダイナミックマイクや、電源の必要なコンデンサーマイク、また有線、無線、USB接続ができるものなど多くの種類があります。そして、デザインや値段も、マイクを選ぶ上で重要なポイントになってきます。
マイクの性能に関わる部分では、マイクの“感度”も参考にしたいところ。マイクの感度は、メーカーやショップのカタログ、製品の仕様書に記載されている「dBV/Pa」という表記で知ることができます。
dBV/Paの「dBV」は「ディービーブイ(またはヴィー)」と読む電圧の単位。一方「Pa」は「パスカル」という圧力の単位で、こちらは“音圧”(⾳の圧⼒の変化量)を表しています。⾳圧の基準は20μPa(マイクロパスカル)とされていて、 これは⼈間が聞き取ることのできる最⼩の⾳圧です。
パスカルといえば、台風などの気象ニュースに出てくる「hPa(ヘクトパスカル)」は聞きなじみがあると思います。1ヘクトパスカル=100パスカルです。20マイクロパスカルをこのヘクトパスカルであらわすと、なんと0.0000002ヘクトパスカル! 20マイクロパスカルは、極めて⼩さな圧⼒の変化ということがわかります。
一方、“⾳の⼤きさ”は「dB(デシベル)」で表します。騒音に関するニュースなどで、この単位に触れたことがあるかもしれません。20マイクロパスカル=0 デシベルSPL(Sound Pressure Level、音圧レベル)とされていて、1パスカルは20マイクロパスカルの5万倍、約94デシベルということになります。音圧としては、地下鉄の⾞内の騒音や防犯ブザーの⾳と同じくらいです。
そしてマイクの感度、dBV/Paは、1パスカルの⾳圧の1kHz(キロヘルツ)正弦波(※1)を受けたときに出⼒する電圧を基準レベル(0dBV/Pa)として、どれほど大きいか、または小さいかを表現しています。
たとえばこれをダイナミックマイクで⽐較してみると……
ラジオ関西技術センターがお送りするこの番組で、あなたの質問が読まれるかも……!
興味がおありの方は、番組にハガキでおたよりください。お待ちしています。
宛先⇒ 〒650-8580 ラジオ関西『おしえて!サウンドエンジニア』係
【放送音声】2021年11月21日放送回