豆をまいて福を寄せ、鬼を退治する「節分」。
大阪・新世界の「通天閣」では、例年ひと足早く、真下の広場に集まった人たちに向け、特設ステージから豆まきが行われるが、昨年に引き続き、新型コロナウイルス感染拡大防止のため中止。66回の歴史の中で初めて、ゲストの福男・福娘を呼ばずに、約千袋の福豆をアクリル板越しに約10分間、非接触で配った。
近くに住む70代の女性は「通天閣の真下のマンションに住んでいますが、初めてなんですよ。いつもならたくさんの人で、まかれた豆を拾うのが大変。今年はそれぞれが距離を取って感染対策を取っているので安心して来ました。いただいた福豆はお茶飲み友達に配ります」。
講演会などで司会業を営む40代の女性は「豆をまくよりも、『豆渡し』のほうがアクリル板越しであっても思いを届ける感じがしました。コロナ禍、仕事がすべてキャンセルになった時は、どうなるかと思いました。ただ徐々に少人数で集まるようになり、皆さん一人一人の表情を見ながらお話ができるように。これからも少しずつ、人との距離を取り戻せるようになれば」と話した。
今年72歳、寅年の年男・通天閣観光の西上雅章会長は「やはり大阪の風物詩。コロナ感染対策を十分に施して、コロナ収束と日本が元気になるように祈願しました。来年こそは、たくさんの人に福を授ける『豆まき』ができますように、頑張りまっせ!」と意気込んだ。