毎日伸び続ける手足の爪。特に冬場は、寒さや乾燥から指先のトラブルが増える時期でもあります。そもそも爪とは、タンパク質の一種が元になり、皮膚の角質が変化して硬くなったもの。手の爪が伸びるスピードは、個人差もありますが1日およそ0.1mm程度。1か月で約3〜4mmが伸び、爪全体が生え変わるには、3〜4か月かかります。また、足の爪は手の爪に比べて約30〜50パーセントほど成長速度が遅いといわれているそうです。
爪の健康を保つためには、どんなお手入れをする必要があるのでしょうか? ネイル材料の卸し・商品開発や、ネイルケアサロンの運営を行う「TAT株式会社」市場開発部・鍵井輝子さんに聞きました。
――正しい爪の切り方を教えて下さい。
爪が伸びた際、市販されている爪切りなどで伸びた部分を切り落とす方が多いのですが、実はこれは間違ったお手入れ方法です。爪は、皮膚の角質が何層にも重なってできているので、爪切りの刃をあてると表面が圧迫され、ダメージを与えて二枚爪などの原因になることもあります。カットするのではなく、「フリーエッジ」と呼ばれる爪の先端の白い部分に爪やすりをあて、削って長さを調節するのが正解です。
――爪の長さを調節する際、どれくらい削るとよいのでしょうか?
爪の適切な長さは、人によって千差万別です。フリーエッジの裏側には、「ハイポニキウム」という爪と指をくっ付けている甘皮があり、この部分には、神経も通っています。ハイポニキウムの大きさは人によって様々なので、爪全体の長さを基準に考えるというよりも、このハイポニキウムに触れない範囲で削ることを意識すると良いでしょう。
ちなみに、爪のお手入れをする際に表面まで削ってピカピカにすることは、あまりお勧めはできません。爪は、縦方向にしか伸びないため、一度薄くなった箇所を再生させるには、新しく生え変わるのを待つ必要があります。健康な爪を保ち、指先の動きを妨げないためにも、爪の厚さは変えない方が良いでしょう。最近では、ネイルサロンなどでも、爪全体を削らずにジェルの土台を作って継ぎ足す「フィルイン」という爪の健康に配慮した技法が広がりつつあります。