昭和にデビューし、今も輝き続ける男性の二大スターと言えば、やはり沢田研二さんと、郷ひろみさん。それぞれ個性もスタンスも大きく異なるお二人ですが、その一本芯が通った生き方には多くの男性が共感し、憧れるところだと思います。
今回はそんなお二人の人生について、それぞれのターニングポイントになったヒット曲を交えながら、シンガーソングライター・音楽評論家の中将タカノリと、シンガーソングライター・TikTokerの橋本菜津美が紹介します。
【中将タカノリ(以下「中将」)】 というわけで今回はジュリー&ひろみ特集! お二人の生きざまやターニングポイントになったヒット曲の数々を紹介していきたいと思います。
【橋本菜津美(以下「橋本」)】 この比較って、珍しいかもしれませんね。お二人とも昭和を代表するスターですが、私はあまり比較の対象としては捉えていませんでした。
【中将】 沢田さんは現在74歳、郷さんは66歳で8歳差。1970年代、1980年代の同時期に活躍した歌謡スターという共通点はあるんですが、確かに世代差があるし、今は全然違うステージに立っています。でもこの二人を比較したら、意外に似ている部分や、まったく正反対な部分が見えてきて面白いんですよ。
【橋本】 沢田さんは自然にお年を取ってふくよかになってるけど、郷さんはめちゃくちゃストイックにアンチエイジングしている……ってイメージです。共通する部分もあるんですね!
~二人のデビュー期は?~
【中将】 まず沢田さんの紹介です。沢田さんはザ・タイガースのボーカルとして1967年に渡辺プロからデビューし、瞬く間にグループサウンズブームの頂点に。1971年の解散後もソロシンガーとして大活躍しました。
長髪に大きな目、華奢な体つき……沢田さんは日本初のフェミニンな男性スターだと言われています。
【橋本】 日本初! そうなんですね!
【中将】 沢田さん以前のスターって石原裕次郎さんや加山雄三さん……どちらかというと男性的な魅力の人が多かったんですね。でも沢田さんはさっき言ったように少女漫画の王子様タイプ。ジャニーズ事務所の創業者で男性アイドルシーンを独占したジャニー喜多川さんも沢田さんのことを“アイドルの理想形”としてプロデュースの参考にしていました。
【橋本】 言われてみると、たしかにそうです。沢田さんが日本の男性アイドルの世界観の基礎になってるわけですね。