従業員に過労死ライン(月80時間)を超える月100時間超の違法な時間外労働をさせたとして、労働基準法違反容疑で書類送検された人気洋菓子店「パティシエ エス コヤマ」(兵庫県三田市)の運営会社と男性幹部社員2人について、 神戸地検は11日、 不起訴(起訴猶予)処分とした。その理由について「諸般の事情を考慮した」としている。
「パティシエ エス コヤマ」 は2021年1~2月、人気のロールケーキ「小山ロール」や焼き菓子などの製造を担当する従業員11人に、労働基準法第36条に基づく協定(三六協定)を超える長時間の時間外労働をさせたとして、同社と当時の製造部長、経営サポート本部次長が伊丹労働基準監督署(兵庫県伊丹市)に書類送検された。
同社には最長労働時間が月約342時間に上った従業員も確認され、伊丹労基署は2018年と2021年の2回、労働基準法違反で是正勧告を出していたが、1回目の勧告の後、改善されていなかった。
■「反省と後悔、消え去ることなく」オーナーシェフがコメント
エス コヤマ・オーナーシェフ 小山進代表取締役は、経営者として気を配っておかなければならない労務管理を始めとする内部統制に問題があったことを深く認識したとコメント。そのうえで「是正は昨年(2021年)12月末に完了したが、まだまだ進化する為にやらなければならないことは沢山あり、そのことと常に向き合っていかなければならない。反省心や後悔の念は今後も消え去ることはなく、その想いを胸に秘め、日々精進していく」とした。