◆鉄アナ・羽川英樹「行ってきました!」vol.88
大阪~神戸間の鉄道はJR・阪急・阪神が競合しますが、その中で一番山側を走っているのが阪急神戸線です。開業時の1920(大正9)年からしばらくは梅田(現「大阪梅田」)と今の「王子公園」近くに位置する上筒井の間を結んでいました。そして上筒井から三宮までは神戸市電が接続していたのです。
阪急神戸線は当時、人家がほとんどないところに直線コースを敷いたため、『綺麗で早うて。ガラアキで』がキャッチフレーズで、表定速度78km/hは当時、阪和線と並んで日本一の速さだったのです。
「大阪梅田」~「十三間」は京都線・宝塚線・神戸線の3線の優等列車が10分おきに同時に発車し淀川を渡っていく姿が壮観です。
「十三」を出て神崎川・猪名川・藻川を渡って3つ目の駅が「塚口」。ここで伊丹線と接続します。かつて塚口御坊を中心に栄えた街には、高級スーパー「ikari」(いかりスーパー)の1号店もあります。
「武庫之荘」は阪急が手掛けた大規模住宅地のためにできた駅。通称「尼崎のビバリーヒルズ」と呼ばれ、春はホームの横に桜が見事に咲き誇ります。
「武庫之荘」と次の「西宮北口」とは距離が3.3kmと長いため、このあたりに新駅が計画されています。ホームは尼崎と西宮を分ける武庫川の真上にかかる予定ですが、完成時期は未定です。
「西宮北口」は神戸線の拠点駅で、阪急全線で大阪梅田・神戸三宮に次ぐ乗降客数を誇ります。ここで今津線は乗り換えです。ここには1984(昭和59)年まで今津線と平面交差する名物の「ダイヤモンドクロス」がありました。
次の「夙川」は2006(平成18)年から特急停車駅に昇格。ここで単線の甲陽線と接続します。全長4kmの夙川公園(夙川河川敷緑地)は阪神間随一の桜の名所で、春はホームからでもお花見ができます。また駅近くのカトリック夙川教会は、昭和7(1932)年築の格調高いネオ・ゴシック様式で、カリヨンの鐘は日本最古と言われています。