「関西の優良モノづくり企業」にも選出 唯一無二の機械を少数精鋭で製造する永光産業(加古川市) | ラジトピ ラジオ関西トピックス

「関西の優良モノづくり企業」にも選出 唯一無二の機械を少数精鋭で製造する永光産業(加古川市)

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 加古川市にある永光産業株式会社は産業用機械の設計・製造事業を行っている。優れた開発力を武器に海外からの受注も多く、日刊工業新聞社が発表した「関西の優良モノづくり企業111社」にも選出された。そんな永光産業株式会社の代表取締役・太田稔宏さんに話を聞いた。

 永光産業株式会社は1944年、赤穂市で耐火煉瓦の製造業として創業。その後、1947年の加古川市への移転を契機に、現在の産業用機械の設計・製造事業を行うように。手がける産業用機械の分野は鉄・非鉄業界から食品・半導体・医療関連まで幅広い。社員は17人と、少数精鋭で様々な機械を生み出している。

 製造を行っている機械の多くが自動化装置、ロボットシステムで、様々な工場向けにオーダーメイドの機械を製造し、工場の省力化・自動化に貢献している。その為、製造を行う機械のほとんどが唯一無二であり、その評価としてアメリカや台湾をはじめ、20ヶ国以上の納入実績がある。

永光産業株式会社の代表取締役・太田稔宏さん
永光産業株式会社の代表取締役・太田稔宏さん

 コロナ禍での影響としては、去年の夏ごろから半導体や樹脂関係の燃料の不足で部品類が入手しづらくなっているという。それまでは注文が増加し、そのニーズに応えられていたので会社として調子が良かったのだそう。その後も多く注文が入っているが、部品不足でなかなか製品を納入できない状況が続く。太田さんは、「お客さんの方も状況を理解していただけているので、納期を早められるようなことがないのが幸いです」と口にした。

 材料不足で物の値段が上がっており、さらに円安の影響もある。「ただ、幸いなことに、海外のお客さんとは円建てで取引をしているので、お客さんからすると設備の価格が下がった形になる。その部分ではプラスになった面もあります。今後は経済状況がどちらに転んでも対応できるように考えていかないといけない」と太田さん。

 創業から間もなく80年。「今後もとにかく長く続けることが目標」と話す太田さん。お客さんからの「この作業を自動化したい」などという要望に対し、いかにお客さんに喜んでもらえるアイデアを出していけるかが重要なのだという。そして、太田さんが採用時に重要視しているのが機械いじりが好きだということ。太田さん自身も機械が小さい頃から好きだったそうで、「家にあるものをなんでも分解していました。元に戻らないことも多かったですけど」と笑う。好奇心は人一番強く、子どもの頃の経験が今に活きているようだ。

 技術的好奇心の旺盛なプロエンジニア集団である永光産業株式会社が、近年行った大きな開発はNIRO(新産業創造研究機構)との共同で、マイクロナノバブルを用いた水産物の「鮮度維持装置」。この装置により、海洋生物の生存期間が約2倍になり、我が国の水産業に貢献している。

鮮度維持装置
鮮度維持装置

 「世の中的には働ける世代の人数が減っているので、自動化というニーズは今後も増えていくと思う」と太田さん。これからも優れた技術力をいかし、国内市場のみならず海外市場での永光産業の活躍に期待が持てそうだ。

※ラジオ関西『こうべしんきん三上公也の企業訪問』2022年9月6日放送回より

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