「僕のヒーローなんです」劇作家・平田オリザが敬愛 棋士・谷川浩司十七世名人の横顔にせまる | ラジトピ ラジオ関西トピックス

「僕のヒーローなんです」劇作家・平田オリザが敬愛 棋士・谷川浩司十七世名人の横顔にせまる

LINEで送る

この記事の写真を見る(2枚)

 劇作家・演出家の平田オリザさんがパーソナリティを務めるラジオ番組『平田オリザの舞台は但馬』(ラジオ関西、木曜午後1時~)に、将棋棋士の谷川浩司十七世名人が出演。1983年に史上最年少となる21歳で名人を獲得した谷川さんは、平田さんにとって「まさに同世代のヒーローだった」という。2週にわたり、さまざまなトークを展開した。

谷川浩司十七世名人(写真左)と、番組パーソナリティの平田オリザ(中央)、田名部真理(右)

 平田さんは、開口一番に「緊張しています」と改まった表情。谷川さんとの初対面は、十数年前に高野山大学で開催された夏季講座だったそう。その際に見かけた、阪神淡路大震災の慰霊碑に気付いた谷川さんが案内の列をそっと離れ、静かに手を合わせた姿に感動を覚え、一気に「谷川ファン」になったという。

 1週目は、平田さんが谷川さんを文字通り「質問攻め」に。対局に向けての体力維持方法や将棋の醍醐味(だいごみ)、AIの存在感が増している現在の将棋界についてなど、質問は多岐にわたった。

 藤井聡太竜王の強さの秘密については、「藤井さんはAIの時代にあっても、自分の力で考える棋士ですね。どんな世界でも答えが出そうなところは考えると思うのですが、答えがなかなか出ない局面であっても、藤井さんは『考える』んです」とコメントした谷川さん。

 さらに、「たとえば、序盤はどう指しても98点以上という手が5手くらいはある。普通は1時間も使って考えない。でも、藤井さんは序盤から惜しみなく時間を使って考える。だから彼は、対局しながら対局のなかで強くなっていくのでしょうね」と分析した。

 2週目には、谷川さん自身のお人柄あふれるエピソードも多数飛び出した。

 気分転換は阪神タイガースの観戦だという谷川さん。最近は球場ではなくもっぱらテレビでの観戦だが、見始めると1日のうち3時間ほど取られてしまうのが悩みなのだとか。

 また、これまでで最も対局数が多かった羽生善治九段についても語ってくれた。

「羽生さんの強さはオールラウンダー。相手の得意戦法は避ける、ということをしない。彼にとっては、相手の得意戦法のなかで戦うことで、より多くのものを自分のなかに吸収できると考えているのでは。彼の強さの原点は、好奇心ではないかと思います」(谷川さん)

LINEで送る

関連記事