郷ひろみさん、西城秀樹さん、野口五郎さん。異なる個性と魅力を持ち1970年代、1980年代の男性アイドルシーン切り拓いた「新御三家」について、シンガーソングライター・音楽評論家の中将タカノリと、シンガーソングライター・TikTokerの橋本菜津美が解説します。
【中将タカノリ(以下「中将」)】 今回は「新御三家」と呼ばれ、1970年代~1980年代の男性アイドルシーンをリードした郷ひろみさん、西城秀樹さん、郷ひろみさんの特集回です!
【橋本菜津美(以下「橋本」)】 この番組(※ラジオ関西『中将タカノリ・橋本菜津美の昭和卍パラダイス』)が始まってからみなさんの曲はいろいろ聴かせていただきましたが、本当にそれぞれ違った個性ですよね。
【中将】 同じ時期に違った個性がぶつかりあったからこその盛り上がりだったと思います。「3人で新御三家」と言っても別に同じグループなわけじゃない。ライバルでありよき友人……という感じですかね。
◆アイドル期最大のヒットは?
【中将】 今回はそれぞれのアイドル時代の最大ヒット曲、個性が光る曲を聴きながらその魅力を比較していきたいと思います。まずは、郷ひろみさんで、「よろしく哀愁」(1974)。
【橋本】 郷さんって、この頃から郷さんなんですよね……。
【中将】 鼻にかかった独特の甘い声ですよね。ジャニー喜多川さんの秘蔵っ子としてジャニーズ事務所からデビューしただけあって、現在のジャニーズアイドルに通じる美少年キャラでした。
【橋本】 この曲はどれくらい売れたんですか?
【中将】 オリコン・ウイークリーランキング1位で50.6万枚の売上を記録しています。ただ、意外なことに郷さんがオリコン1位をとったシングルってこの曲だけなんですよ。
【橋本】 そうなんですか? 意外です! 「GOLDENFINGER'99」(1999)とかもすごく売れたイメージでした。
【中将】 2位どまりの曲や、じわじわロングヒットになった曲が多いんですよ。そういう点では郷さんって記録より記憶に残るタイプなのかもしれません。
【橋本】 今デビューしても売れそうなインパクトある個性ですよね。