カニ解禁も漁獲期間自粛? 海水温変化で獲れる魚種に違い? 漁獲量減少の日本海、現状を漁協が解説 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

カニ解禁も漁獲期間自粛? 海水温変化で獲れる魚種に違い? 漁獲量減少の日本海、現状を漁協が解説

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 11月6日、待ちに待った冬の味覚『ズワイガニ』が解禁した。しかし近年、気候変動によって漁獲にさまざまな変化が起こっている。

 関西の朝の顔としてテレビなどで活躍する気象予報士・防災士の正木明がパーソナリティーを務めるラジオ番組『正木明の地球にいいこと』(ラジオ関西、月曜午後1時~。アシスタント:荻野恵美子)にて、2022年10月31日放送回では、但馬漁業協同組合の代表理事組合長・村瀬 晴好さんが登場し、カニ漁が直面する海の問題などについて詳しく話した。

魚介の宝庫、但馬地方の海

 村瀬さんたちが漁獲するカニは「ベニズワイガニ(香住ガニ)」と「ズワイガニ(松葉ガニ)」。それぞれ漁獲方法が別なのだそう。

 ベニズワイガニは「かにかご」を使う。この方法はカニを傷つけにくく漁獲できるメリットがあるという。800メートル以深からの引き揚げのさい、急激な水圧変化によりカニが弱ってしまう場合があるため、高いスキルが必要となる。ズワイガニは「沖合底びき網漁業 (底びき網)」で漁獲する。

ベニズワイガニ(香住ガニ)
ズワイガニ(松葉ガニ)

 村瀬さんは「カニは鮮度が命。新鮮でおいしいカニを出荷するには、どちらの方法でも“生きた状態”で漁獲する事がポイント」と力強く語る。

 この2種類のカニは漁獲期間にも違いがある。

 ベニズワイガニは9月1日の漁解禁日から翌年6月30日までの10か月間の漁が許されている。獲っていいのはオスのみで、甲幅90mm 以下は採捕が禁じられている。資源保護を考え漁獲期間の自主規制を行い、今は1か月減の9か月間としている。なお、メスは漁獲自体を禁止されている。

 ズワイガニはというと、オスは11月6日〜翌年3月20日まで、メスは11月6日〜翌1月20日まで漁獲してもよいことになっている。だが、メスに関しては自主的に期間を20日繰上げ12月31日までの採捕とし、資源保護を実施している。

 これからの季節、日本海でおもに漁獲できるのはカニ・ノドグロ・ホッコクアカエビ(甘エビ)だそう。正木が海の環境について質問したところ、「水温に変化が発生しています」と村瀬さん。

 もともとノドグロは日本海では漁獲数は少なかったという。主に東シナ海に生息しているが水温が上がったことで、東シナ海から対馬海流、山口県沖、島根県沖、兵庫県沖へと流れてきており、漁獲数は増えているとのこと。

ノドグロ
ホッコクアカエビ(甘エビ)
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