寒さ厳しいこの時期に食べたくなる和スイーツといえば、ほかほかの「焼き芋」。神戸駅山側を高架に沿って東へ歩いたところにある『あんどあーち』(神戸市中央区)をご存知でしょうか。このお店、石焼き芋ではなく「つぼ焼き芋」なるもので勝負しているのです。
この聞きなれない「つぼ焼き芋」とは、一体どんな焼き芋なのでしょうか? 詳しい話をオーナー・林孝一さんに聞いてみました。
――「つぼ焼き芋」とは何ですか?
「じつは古い歴史がある焼き芋で、大正から昭和の初め頃まであった焼き方の手法なんです。つぼの中で炭を燃やし180度ぐらいまで温度を上げ、吊した芋を遠赤外線の輻射熱(ふくしゃねつ)を使って2時間ほどかけて焼いていきます。時間がかかる割には1度に16本程度しか焼けず、大量生産には向かないということで今ではほとんど目にしない焼き方となってしまいました」(林さん)
――「石焼き芋」との違いはありますか?
「石焼きは芋が熱い石に直接当たりますから、皮も身も焦げることがあります。そのため皮を含めた焦げ部分は除いて食べる方が多いのではないでしょうか。いっぽう、つぼ焼きの場合は熱した空気で焼くので芋が焦げることはほとんどありません。栄養価が高いと言われる皮まで丸ごとおいしく食べられるのがつぼ焼き芋の特徴ですね」(林さん)