トルコ・シリア 地震 “救えぬ悔しさ” 神戸出身の海上保安官が語る「人として向き合わねば」 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

トルコ・シリア 地震 “救えぬ悔しさ” 神戸出身の海上保安官が語る「人として向き合わねば」

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 2月6日に起きたトルコ・シリア大地震による死者は、27日までに計5万人を超えた。両国とも行方不明者の数を発表しておらず、さらに多くの人的被害が出ている可能性もある。

2月8日、カフラマンマラシュ市内で活動を始める救助隊(画像提供・JICA)

 日本の「国際緊急援助隊」の一員として現地に入り救助活動した、第5管区海上保安本部(神戸市中央区)の関西空港海上保安航空基地に所属する機動救難士、田中靖彬さん(33)が取材に応じ、「これまでで最も壮絶な現場だった」と振り返った。

関西空港海上保安航空基地所属・機動救難士、田中靖彬さん
第5管区海上保安本部・服部真樹本部長にトルコでの救助活動内容を報告する田中靖彬さん<2023年2月24日午後 神戸市中央区>

 田中さんは神戸市垂水区出身。幼少期に阪神・淡路大震災を経験している。2009年に海上保安官となり、高知、神戸の各海上保安部に所属し、巡視艇で潜水士として勤務。2020年に関西空港基地の機動救難士となった。東日本大震災や熊本地震でも救助活動に従事している。

2月11日、活動の様子(画像提供・JICA)

 被災地では倒壊した建物で捜索、救助活動に徹した。行方不明者の捜索ではがれきの山を掘り起こし、探索器「レスキューレーダー」や救助犬のサポートもあった。
 田中さんたちが現地入りしたのは地震発生直後。街はがれきの山だった。高層の建物が倒壊している。おそらく10階、11階はあったのだろう。日本とは建築基準や構造(一部は違法建築もあっとたみられる)が異なることもあり、原形をとどめていない。粉じんが舞い、救助の手が伸びていない場所も数多くあった。医者の数も足りず、救急車がひっきりなしに行き交う。

2月11日の活動状況 多くの住民が見守る(画像提供・JICA)

 トルコ災害緊急事態対策庁は、被災地で既に倒壊、または激しく損傷した建物が17万3000棟以上あると明らかにした。

2月12日の活動状況(画像提供・JICA)
2月12日の活動状況(画像提供・JICA)
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