ウクライナの伝統楽器「バンドゥーラ」の繊細な音色と済んだ歌声に、約300人の聴衆は大きな拍手を送った。奏でるのは9歳の音楽家、プロチコ・アナスタシアさん 。軍事侵攻後、ウクライナ西部・リビウから母親と大阪に避難している。
■バンドゥーラを奏でると、つらさを忘れる
ロシアによる軍事侵攻から1年が過ぎた2月24日の夜、大阪府八尾市のコンサート会場の楽屋で、本番直前にラジオ関西の取材に答えたアナスタシアさんは、「少し緊張しています」と、母親の腕をつかみ、はにかんだ表情を見せた。
「バンドゥーラは6歳から始めているの。演奏していると、つらく悲しい出来事が忘れられます」と話す。チェンバロにも似た素朴な音色は、故郷の風景や友人たちを思い出させてくれる。「みんな、元気にしているのだろうか。会いたい」。
日本に在留するウクライナからの避難者は2189人(出入国在留管理庁まとめ 2月22日現在・速報値)。帰国する避難者も多い。そこには言葉の壁や食習慣の違い、強い祖国愛など、理由はさまざまだ。
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■20万曲を数えるウクライナ民謡