乗客106人が犠牲となったJR福知山線脱線事故は、4月25日で発生から18年を迎える。
事故車両の1両目に乗車して重傷を負った福田裕子さん(兵庫県宝塚市)は、再発防止を願って沿線で配布する「空色の栞(しおり)」のデザインを手がけて13年。
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「空色の栞」は、事故の負傷者や家族でつくる「空色の会(JR福知山線事故・負傷者と家族らの会・兵庫県川西市)」が、今年も5000枚を作成した。
“空色”は、事故当日の晴れ渡った青い空を忘れないとの思いから名付けた。メンバーそれぞれが、1枚1枚に空の色を表す2種類のブルーのリボンを通した。
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2005年4月25日。大型連休を前に、世間のムードは高揚していく。「あと1週間足らずで、ゆっくり休める。さぁ、どこへ行こうか…」。あるいは「世間は連休か。でも仕事があるから、みんながうらやましい」それぞれが思いを胸に福知山線に乗っていた。この日、抜けるような青空が広がっていた。
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事故はそんな雰囲気を一変させた。大きく変形した車両の中で横たわり、空を見上げると鮮やかな青。家族が負傷した男性は栞のリボンを付けながら、「搬送先の病院で、どれだけ世間が恨めしかったか」と語る。その言葉を聞き、「18年経っても、あの悔しさ、辛さは忘れられない」と応じる男性もいる。こうして最近思うことや、近況の報告を兼ねながら、メンバーが心を込めて栞にひもを通していく。
「すっかり、風物詩になった。でも単なる風物詩で終わらせてはいけない」。負傷した女性は切実に話す。18年という年月が、安心・安全への意識を鈍らせてはいないか、ややもすると、事故そのものが忘れ去られるのではないか。
「空色の栞」には、いま一度、安全とは何かを問いかける大切なメッセージが込められている。
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