所蔵する全作家311人の作品を紹介 姫路市立美術館「春の祭典―生きる力を生み出す大地」 6月18日(日)まで | ラジトピ ラジオ関西トピックス

所蔵する全作家311人の作品を紹介 姫路市立美術館「春の祭典―生きる力を生み出す大地」 6月18日(日)まで

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 姫路市立美術館(兵庫県姫路市)は、所蔵する全作家311人の作品を紹介する「開館40周年記念コレクション展 春の祭典―生きる力を生み出す大地」を開催している。6月18日(日)まで。

姫路市立美術館
姫路市立美術館

 ストラヴィンスキー作曲の革新的な20世紀バレエ音楽「春の祭典」をテーマに、「郷愁」「伝統」「革新」「リズム」の4章で構成。世界的な作家や気鋭のアーティストらによる多彩な作品が壁やショーケースにひしめき合うように並び、記念展にふさわしい、きらびやかな展示空間となっている。

会場入り口
会場入り口
藤島武二、黒田清輝、ジャン・デルヴィル…名画がずらりと並ぶ壁面(前期展示より)
藤島武二、黒田清輝、ジャン・デルヴィル…名画がずらりと並ぶ壁面(前期展示より)

 会場に一歩入ると、そこは「郷愁」のエリア。懐かしい風景や大切な人への慕情、理想への憧れなどが込もった作品群が出迎えてくれる。壁一面を覆うように展示された大型作品、コンスタン・モンタルド「寓意的な情景」(1907~08年)は、理想郷を描いており、金を施した木や妖精を思わせる女性の姿が神秘的な美を醸す。高瀬晴之学芸員は「噴水の水を飲んで霊感を得るという、この世にない場所へのノスタルジーを表現している」と解説する。

 元は個人の邸宅にあったもので、マントルピースのある部屋に飾るため、下の中央部分が切り取られた形状。その後額装するため折り曲げられていた時期もあったが、今回は、元に近い形に広げて展示されている。

コンスタン・モンタルド 《寓意的な情景》 油彩、陶砂、金・布 1907~1908年 275×415(㎝)
コンスタン・モンタルド 《寓意的な情景》 油彩、陶砂、金・布 1907~1908年 275×415(㎝)

「伝統」では、国内外の名品をジャンル分けせずに一挙公開。美人画の大家、上村松園やベルギーのシュールレアリズムの美術家マグリットの作品などとともに、姫路ゆかりの画家たちの秀作も並ぶ。

「革新」はそれまでの伝統を打ち破る表現や前衛的な試みにスポットを当て、「リズム」では、形や色、構図や素材などの質感などから、視覚的のみならず、聴覚的、身体的な刺激が感じられる作品を集めている。

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