2025年の大阪・関西万博の開催に合わせ、兵庫県の体験型観光プログラム「ひょうごフィールドパビリオン」が展開されます。なかでも、地域の核となる「プレミア・プログラム」に選定されているのが「沼島(ぬしま)おのころクルーズ」です。国生み神話ゆかりの島としても知られる沼島を、地元漁師案内のもと、漁船で一周することができます。
◆日本最初の国土とされる「国生みの島」
プログラムの舞台となる南あわじ市の沼島は、淡路島の南に浮かぶ島。周囲は9.53キロメートル、人口400人弱の小さな島です。古事記や日本書紀の国生み神話に登場する「おのころ島」伝承地のひとつとされており、奇岩が織りなす神秘的な風景が広がります。
クルーズの受付やガイドを担当する小野山豪さんは「沼島は田舎の島。都会では味わえない、のんびり、ゆったりとした空気が流れているところが島の魅力」と話します。
◆漁業が盛んな漁師の島
沼島は漁場としても有名で、タイやアジ、イセエビなどが水揚げされます。
今回のプログラムは、漁船に乗って、地元の漁師に沼島一周を案内してもらうクルーズツアー。小野山さんは「沼島は、漁業(一次産業)で生計を立てている人が多い。普段乗る機会がない漁船に乗ることで、漁業や自然について考えるきっかけにしてほしいです」と呼びかけます。一次産業について考えることは、プログラムで重要になるSDGsを考えることにもつながりそうです。
◆みどころは島周囲に点在する“奇岩”
沼島おのころクルーズのみどころは、島の周囲に点在する奇岩や海からしか眺めることができない雄大な景色。約45~50分のクルーズで、島を一周します。
たとえば、沼島のシンボル的存在でもある高さ約30メートルの「上立神岩(かみたてがみいわ)」。イザナギ(男神)・イザナミ(女神)の二神が、最初の島「おのころ島」に降り立ち、夫婦の契りを結んだ「天(あめ)の御柱(みはしら)」が上立神岩という伝説が残っています。最近では、中心にあるハートマークが有名で、恋愛成就のパワースポットとしても人気を集めているそう。